「尊厳死は許されないの?」アリスのままで Michiさんの映画レビュー(感想・評価)
尊厳死は許されないの?
当該作品は、6月27日に公開された若年性アルツハイマー病と診断された50歳の
言語学者の苦悩と葛藤、そして彼女を支える家族との絆を描く人間ドラマです。
主演のジュリアン・ムーアは、今年2月の米国アカデミー賞で、
最優秀主演女優賞を受賞しております。
いつでも泣ける様にと、ハンカチを持ちながら観ましたが、
泣かせる映画ではなく、考えさせる作品でした。
つらい作品です。。。
言葉を失い、記憶・思い出を失い、今まで積み上げてきたものを失い、
そして、家族をも失っていく病です。
日本でも、4人に1人が65歳以上の高齢者で、その1/4が認知症と言われています。
自分自身も苦しみますが、最終的には、他人や家族に迷惑をかけてしまいます。
家族なんだから、夫婦なんだから、介護するのは当たり前とは言えません。
なぜならば、どんな人間も夢を持ち、その実現の為に、必死に頑張っているのだから。。
末っ子に妻の面倒を任せた夫を、決して責める事はできません。
また、末っ子も女優という夢を持っているのに、
母親の介護を引き受けた事は、今後、大変な困難が待ち受けています。
当該作品は、人生には何が待っているのか解らないのだから、
瞬間・瞬間を精一杯生きていく事の必要性を訴えているのかも知れませんが、
私は、ちょっと違う感想を持ちました。
発症したて頃に、主人公が自分宛にビデオを作成するのですが、
私には、この気持ちがよく理解できます。
弱虫!プライドが高い!!認知症の方に失礼!!!と言われそうですが、
全ての記憶を失い、自分だけでなく、家族すら解らなくなり、
最後には、周囲の人間を傷つけ、迷惑をかける位ならば、
自ら死んでしまいたいと私は考えています。
これを、「尊厳死」と言うのか、「自殺」と言うかは解りませんが、
そういった死に方が許されても、良いのではないでしょうか?
Michi