「家族、学校、親友、仲間、尊敬する人 すべてが繋がるドラマ」映画 ビリギャル shinobu999さんの映画レビュー(感想・評価)
家族、学校、親友、仲間、尊敬する人 すべてが繋がるドラマ
人間ドラマとしての完成度がとても高いと思った。特に工藤家の中の歪な状態は、実際こういう家庭はあるの思うし、その中でああちゃんの子を思う気持ちが演技に十二分に現れていた。一番感動したのはああちゃんがバットを持って、(さやかの父親を殴ると思いきや)バスの窓ガラスを狂ったような声を上げながらぶっ壊して、「恥ずかしいって何ですか?私は学校に何度も呼び出されたけど、恥ずかしいと思ったことなどない、むしろ、サヤカといろんな話ができて楽しかった。知ってます? リュウタは試合の前の晩、ぜんそくの発作が出るの。 失敗してあなたに叱られるのを恐れてたの。一番辛いのは、あなたの夢を押し付けられたリュウタじゃないんですか?」と、捲し立てたシーン。ここは本当に胸を打たれた。その他にも、週6の塾通いにした時に、坪田先生が、ああちゃんから受け取ったお金を見せて、この重みわかるよね、と言った言葉を聞いた時のさやかの気持ちも伝わってきて良かった。
このドラマは感情が揺れる場面、そして、感情が変化していくきっかけをきちんと描けているという点で素晴らしい。
私にとっては、30年以上前の自分の受験生時を思い出すドラマだった。私立に行くお金がなく、国立の難関大学を滑り止めなく受けざるを得なかった当時の気持ち。もし、落ちたら家出しようというは決意のもと死に物狂いで勉強した日々。受験当日飛行機での移動の疲れと寒さで、40度の発熱で2日間試験を受け、その後丸2日間ほぼ意識を失ったこと。合格発表日、合格通知を受け取って、震える手で封筒を開けて、合格の文字を見て、全身の力が抜けた。
それにしても、有村架純は信じられないほど可愛かったなぁ。ずっと鑑賞候補に上がっていなぎら見ずにとっておいた本作を、今回初めて見て今更ながら見て良かったと思いました。