「あなたに二度愛されて」フェイス・オブ・ラブ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
あなたに二度愛されて
最愛の夫を亡くした女性が、夫と瓜二つの男と出会い…。
しっとりと切ない、中年男女の大人のラブストーリー。
でもよくよく考えてみれば、有り得ない話。
例えば身近の人が、大事な人を失ったのに、その大事な人とそっくりの人と付き合ったらどう思うか、である。
さすがにドン引く。少々、異常にも感じるだろう。
それに、娘や友人は亡き夫を知っているのだから、その動揺は察する。ちと、娘はヒステリック過ぎると思うが…。
妻にあまり感情移入出来なかった。
娘や友人や瓜二つの相手にまで亡き夫とそっくりの事を隠し通し、時々ヘンに嘘も付く。
瓜二つの男ともう一度会いたい為に、出会った場所でほぼ毎日待ち受けたり、車で追い掛けたり、相手が大学教授と知るとホームページで調べて直接会いに行ったりと、やってる事はプチストーカー。
自己チューでもあり、いい年してイタイ女感もある。
遂に相手に夫と瓜二つである事がバレ…。
しかしこの時の男の対応は、カッコいい大人の男の対応である。
アネット・ベニングとエド・ハリスはさすがベテラン、円熟の演技。
正直二人のラブシーンはちとキツいが、エド・ハリスは役柄も含め色気を感じさせる。
何故男は夫に瓜二つである事が分かっても、女を咎めなかったのか。
その理由は最後に明らかに。
一年が経ち、二人は別れたようだが、ある日報せが届く。
実は男は…。
自分にとって、最期の恋だったのではなかろうか。
描き遺した女の絵画…。
夫とあなた、二度愛されて。
しんみり切ないラストだが、でも一番感慨深いのは、友人役の在りし日のロビン・ウィリアムズかもしれない…。
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