「ドンキー・パンチ…」ファイナル・デッドクルーズ MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)
ドンキー・パンチ…
数多く存在する「ファイナル・デッド」偽シリーズは何なのか。未公開作ならまだしも、一般公開する映画でこの邦題は良いのか疑問が残る。
原題の「ドンキー・パンチ」とは、簡単にいうと暴力的な性交渉のこと。本作ではそのドンキー・パンチ中に女性を殺してしまい、それをきっかけとして豪華クルーズ船の中で血みどろの殺し合いが始まってしまうという物語である。
前半は性描写と違法ドラッグのシーンが多く、ひたすら観ていて不愉快だ。中には比較的まともな考えの人物もいるにはいるが、この時点で登場人物の誰にも共感できない姿勢になってしまう。ハメを外す若者はいるだろうが、全員がこんなだったら世の中はどうなるのか…何てことも考えてしまった。
中盤から繰り広げられる地獄絵図…。恐怖度は低めだが、残虐描写とそのテンションでそれほど退屈せずに観賞できる。しかし、誰が主人公なのかがイマイチ分からないのである。途中うたた寝をして巻き戻したのは事実だが、一定の人物にきちんとスポットを当てて描いていたかと言われたらそうではないはずだ。生き残った人物が主人公だと思うので、深く考えなくても良いかもしれないが、観ていて疑問になった。
誰が好んで本作を観に行くのかは分からないが、少なからず需要はあるのだろう。本作に大きなメッセージ性は無いと思うが、やはりドンキー・パンチという行為自体に警鐘を鳴らす目的と解釈して良いのだろう。正直自信をもってオススメは出来る作品ではない。ましてや正月早々観賞するなんてもっての他である。
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