「ちょっとしたモヤモヤ」ズートピア しろさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっとしたモヤモヤ
ディズニーといえば夢と魔法!プリンセス!といったイメージがあるのかもしれない。
でもディズニー映画ってプリンセスも含めて他とはちょっと違ってたり、コンプレックスがあったり、マイノリティだったりといった主人公もたくさんいる。
そんな彼ら、彼女らが努力、友情、愛情、そしてたまには魔法の力でその人なりの幸せを掴むお話がディズニー映画。
そういう意味でこの作品は面白い、けれども人間社会に寄せすぎたために逆にちょっと普通、になってしまった気もします。
今いろんな差別や偏見についての作品はたくさんありますしディズニーがやることで幅広い年代に問題提起できるのは大きいとも思います。
だからこそ残念だったのがジュディすら副市長が受けているパワハラとも言える差別にほとんど反応も示さなかったこと。
票目当てでほとんど雑用に近い状況で名ばかりの副市長として働かされている彼女の市長への恨みが今回の事件の根本。
なのにその事はスルー。
正直市長も反省しているようには、というより自分が悪いことをしたとすら思ってなさ気。
事件は解決しました。でも原因は放置されたまま。
見た目や種族で決めつけるのは良くない。確かに。
結局はその人個人の性質によるもの。
この先同じようなことは種族を問わずいくらだって起きるかもしれない、でも個人レベルでそれを変えていこうというジュディの志はとても素晴らしいと思います。
だからこそ、そこにも何か救いが欲しかったなと思ってしまいました。
勿論、副市長のした事は許されるようなものではありませんけどね。