劇場公開日 2015年6月6日

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「愛を渇望して愛に翻弄される人々を描いた作品。」エレファント・ソング Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0愛を渇望して愛に翻弄される人々を描いた作品。

2015年6月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

姿を消した精神科医。
鍵を握る精神病棟の患者。
行方を探ろうとする院長。
彼等の駆引きを通して徐々に状況が見えてくる。

冒頭から充満する不穏感。
情報が制限されて状況が殆ど見えない。
と同時に小出しにされる情報も不穏感を煽り。
全編通して不穏感を楽しむことが出来ました。

俳優の演技も良かった。
愛を渇望するが故に愛に翻弄される人々が巧く表現されていました。
患者マイケルを演じるグザビエ・ドラン。
良い意味でも悪い意味でも純粋なマイケル。
掴み処の無い、底の見えない哀しい怪物を怪演。
院長を演じるブルース・グリーンウッド。
社会的地位を持ち体面を気にする院長。
小出しにされる虚実入り混じった情報に惑わされ右往左往。
併せて彼自身も家庭に問題を抱えて、愛を渇望している。
固い顔と柔らかい顔の使い方が絶妙でした。

惜しむらくはテンポ感と展開。
話のテンポが少々悪く話運びが散漫。
話が細切れにアッチコッチに動き。
常時充満する不穏感は行き過ぎれば疲労感に。
思わせぶりの場面の連続で集中力が摩耗しました。
また終盤の展開も残念。
風呂敷の強引な畳み方に納得感が薄く全体的に残念な印象になってしまいました。

愛を渇望して愛に翻弄される人々を描いた本作。

注目を集めるグザビエ・ドランの新作。
今後の事も考えれば観ておいて損は無いと思います。
オススメです。

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Opportunity Cost