エベレスト 3Dのレビュー・感想・評価
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Based on a True Story考察、って言ってみる
「ジョーズ3D」、、じゃなかった「13日の金曜日PART3 3D」、でもなかった
「エベレスト3D」
本作は、1996年のエベレスト大量遭難事件を基にした映画、とのこと。
Based on a True Story(笑)
・・・いや、(笑)は不要だが、どうしてもこの決め台詞を見ると、つけたくなる。
「アルゴ」(笑)
「ドミノ」(苦笑)
「エレファントマン」(失笑)
「ライトスタッフ」(笑・・・じゃなくって、襟を正せ!)
まあ、実に多彩である。だがなぜこうも多いのか。今回は、ほんのちょっとだけ、そのことについて考えてみた。
なぜ多いか?大体の見立てはこうだろう。
「感動的だから」
「小説よりも奇なり」
だが、一番の理由はこれだと思う。
「結末が分かるから」
????
これってネタバレってことだよね。そう、俺たちは、実話=ネタバレ、って思うから、本来はテンションは下がるんだよね。観る側にとってマイナス要素のほうが大きいはずだ。
だけど、製作陣は違うんだよね。
「実話=企画、脚本段階で圧倒的に手間がかからない」
「実話=訳が分からない企画ではない≒安定した企画」
「プロデュース側にプレゼンしやすい」
「ゆえに実話=企画が通りやすい」
こんなところだろう。「安定した企画」って言うのがとってもキモなんだが、原作ものが多い現状とロジックはほとんど変わらないだろう。
だが、制約もある。
「当たり前だけど、ネタバレ」
「ものすごい嘘はつけない」
「遺族、関係者に気を遣う」
特にこれらは、映画の内容や作風に関わる。だけど、「Based on a True Story」をこれ見よがしに貼りつける理由がよくわからない。これを付けると何らかの組織からも金銭的援助があるのか、関係者との契約なのか、この辺はよくわからない。(ブログに上げるときには何とか調べあげたいね → 調べたら、自分で答えだしてたね。実話だから企画を通されたのだから、当たり前。そしてオレも自分がファンドするなら、やはり実話の映画化の案件だろうと思う)
だがその文字を見ることで、少なくともオレのテンションは圧倒的に下がる。だが、あまりに多いのと、そこまで社会的出来事にアンテナを立てていないので、(なんせ映画バカなので、はっはっは)
「まあ、「グローリー 明日への行進」みたいな作風じゃなければ、いいか」
というところを自分なりの落としどころとしている。
はい、本題
「エベレスト3D」
うーーん、本作は、どうも制約面が強く出ちゃったかな。
「主人公は〇〇のせいで死んだ」
この辺がちらつくね。
おまけにあり得ない角度の映像で、CG感満載のおかげで真摯感ダダ崩れ、それに加えてそうなのだから、自然の驚異とか、命の尊厳とか、そういう作品にも見えないんだよね。
追記
ジェイソン・クラーク、ジョッシュ・ブローリン好演。好演ゆえに、プロダクションノートやコメントにあるような山で頑張った、とか言わなきゃいいのに。あなたたちは、過酷な撮影環境でなくとも、ぐっとくる演技はできる。(これぞCGの功罪?)
追記2
ひげ面、防寒着、のそのそ歩き、吹雪、と登場人物認識を遮る要素満載だが、互いに名前を呼び合う(遭難話につきもの)ので、意外と誰がどういう行動をしているのかが分かる。
追記3
生き残り△△の救助のためのヘリコプターの着陸シーンが一番怖かった。
・・・ここ、褒めていいのか。
世界最高峰の恐怖
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おっさんらがエベレストに登る。
しかしガイドが鬼になり切れず、時間を過ぎての登頂を許したため、
やがて日没となり、発生した大きなトラブルに対応できなかった。
置いておいたはずの酸素ボンベが見つからなかったのだった。
そしてみんな動けなくなり、しかも大嵐がやって来てしまった。
こうして何人か死亡し、後遺症を残す者もいた。
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劇場で見た。史実ベースの話らしい。
鬼になり切れなかったガイドはプロとしては失格だけど、
人の気持ちをよく分かる良い人だっただけに残念。
この中に入っていて帰らぬ人となった難波康子という
人物がいることをこの映画で初めて知った。
遠くから眺める派にはどうにも
命をかけて、身を削ってでも、頂上に着きたい感覚がわかないからなんとも。過酷な自然との戦いにただ見とれるだけ。
それにしたって、登山のルールも器材も分かっちゃいないレベルの観客にはちょっとつらくないか? ドラマよりも記録と解説で最高峰と挑戦を観たかったかなあ。
厳しい条件の中、スタッフにもキャストにも感服。体がすくむようなクレバスの橋渡りシーンなんか、気持ちも凍りそうだった。
実話だからこそ
実話だからこそもう少し丁寧に作ってほしかった
登場人物の掘り下げや
欲を言うと過酷な登山風景等も欲しかった
人間側の致命的なミスは「どうしてそうなったのか?」のシーンが無いからちょっと悩む
(事実原因不明だったかもしれない)
削る部分ある気がする・・・、もったいないと思った
自業自得の極み
栗城史多氏の記事を読んでこの映画を知りました。
エベレスト登山を商業目的で興行して失敗した話です。
登山家自体が常人には理解不能な精神構造なので、彼らの動機に共感し辛いですが、人間の傲慢さと自然の厳しさは理解できました。
ウェアと吹雪で後半は登場人物が誰が誰だか見分けがつきにくくストレス。中盤にウェア色や装備の特徴を印象付ける演出が欲しかった。
主人公のロブは大金と名声を得るために山ガイドをして妻子どころか自身を犠牲にしてしまったので後味悪いし、プロでも山は危険って事くらいしか心に残らなかったなー
タイトルなし
実話ということでハッピーエンドではない。三回目の挑戦で登頂迄後一歩の登山者の無理な願いを叶えたことで、ジェイソン・クラーク演じる隊長はラスト命を落とす。エベレストの商業登山がこれだけあるとは知らなかった。人はなぜ命を賭してでも山に登るのか、わからない
エベレストの恐怖
エベレストの迫力!というよりも人間のドラマが感じられた作品。
登頂のタイムリミットが過ぎてるのに、遅れて来た彼を連れていったために戻れなかった人…
逆に、救出しようと戻り、落下…でも生きていた人…
今回取り上げられた一行の他にも同じようなドラマが繰り広げられているんだろうなぁ…
恐ろしや登山…恐ろしやエベレスト…
見えない怖さ
これ、底本はものすごく面白い。だけど、映像化は難しかったんじゃないかなと。
この遭難事件の原因って、山の険しさなど映像的に表現しやすい事ではなくて、酸素が薄くて精神と内蔵がやられるという視覚的にはわかりづらい部分が要因だったりする。蝕まれている当人たちも自覚できなかった状況なので、余計に映像化しづらい。(酸素ボンベのくだりも真相がはっきりしてないしなあ。)
酸素の薄さって、ほんと表現しづらいことだと思う。視覚化できない「見えない怖さ」。
酸素の件だけでなく、吹雪で場所が見えない、人の顔を見誤ったのが、被害を大きくしていて、これも「見えない怖さ」だし。
高山病で視力を失う隊員もいて、これも「見えない怖さ」だなあと思う。
「見えない」を映像化する難しさは、撮る側の人も重々承知してたと思うんだけど。
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だからこそ、エミリー・ワトソン他、これでもかっていうくらい演技派の俳優を大量投入したんだろうなあと思う。
この映画の凄いところは、こんだけ演技派投入したのに、「何で彼らが山に登るのか」が、さっぱり分からないところ。
お金・野心・ビジネス・名声・夢…いろんな理由がそれぞれあるんだろうけども、今ひとつ釈然としない。なんで、そんな苦労してまで手にいれようとするのか。ジョン・ホークス演じる登山家なんて、捨て鉢になってるようにしか見えない。彼の動機が一番わからない。
原作読んでも釈然としない。書籍の方が、様々な人の言葉を大量に引用して、人が山に登る理由を探ろうとしているんだけど、それでも説明つかない。ああ、これは、登山家じゃないと分からない、もしかしたら登山家自身にも分からない事なのかもねと思う。
説明できないないことに惹かれてしまう、そうさせてしまう山の深潭が、この映画にはあるなあと思う。それを演じたジョン・ホークスが上手かったなあと思う。
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ジョシュ・ブローリン演じる登山家は、日常から逃げたくて山に登る(この人は割合、理由がはっきりしている)。「普段は霧の中にいるみたいだけど、山に来るとその霧が晴れる」。それでも、その逃げたかった日常に、必死で戻ろうとする。その必死さが感慨深い。
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追1:本を読むと、ビジネス登山が遭難を招いた部分もあるけれども、ビジネスという秩序があるからこそ防げている事もあるらしくて、中々難しいもんだなあと思った。
追2:『エベレスト 3D』とタイトルにもあるくらいだから、3Dで観たけども効果は薄かったような。
「なぜ山に登る?」「登らないのは罪だ」
映画「エベレスト 3D」(バルタザール・コルマウクル監督)から。
何度なく繰り返される「なぜ山(エベレスト)に登る?」の問い。
手垢のついた答え「そこに山があるからさ」ではつまらないな、と
感じていたところ、新しい定義が見つかった。
どんなにお金を持っていても、誰でも登れるというわけではないし、
それに見合う体力、精神力を持ちつつ、最後には「運」も必要だ。
それくらい「エベレスト」に登るということは、意味がある。
だから「なぜ山に登る?」の問いに「山に登れるからだ」という
シンプルな答えが心に残った。
しかし、それでは万人を納得させる定義ではないな、と思っていたら、
「あれほどの高みで、途方もない美しさを目撃できる」と呟いたあと、
「登らないのは罪だ」と言い切った登山家がいた。
「40年間、プロ登山家だけが挑み、4人に1人が死亡」という事実、
「人間の体はボーイング747の巡航高度では機能できない」という試練、
そして「決定権はいつも山が握っている」という条件などを考えても、
挑戦するに値する山なのだろう。
それを、神が与えてくれたチャンスと捉え「登らないのは罪だ」と
考えることが出来るほど、エベレストは神聖な山に違いない。
それにしても、登山家のプロたちって、意外と我侭だな、
決断の甘さが、他人を死に追いやることを知ってるはずなのに。
悲しい
実話だということで興味が湧き見ることになりましたが、こんな過酷な思いをすると分かった上でエベレストとゆう最大の登山に挑戦をしていく人たちの話でしたが、最後は助からず死んでしまうのが残念でした。
実話なので、ストーリー性を求めていたわけではありませんが、妊娠中の奥様の元へ帰れなかったのは無念だなと思いました。
人を助ける心を最後まで持ち続けていたのですね。
フィクションなら良かったのに
死者が大勢出た実際の遭難事故に基づく話だというのはチラと聞いていたけど、その辺は触れる程度で、どっちかというと3Dの大迫力で雪山体験! みたいな娯楽映画かと思ってた。CMや予告もそんな感じにみえたし。
好きな俳優さんもいっぱい出てるし、アトラクション気分でぶらりと観に行ったら全然違った……。
つらい。つらすぎる。確かに雪山の過酷さは嫌というほど伝わってきたし、ジェイソン・クラークはじめ俳優さんの演技も素晴らしかったが、さほど昔でもない事故なだけに、これを観て面白いとかつまらないとか言う気になれなかった。これは、映画というエンターテインメントとして成立してるのかな?
エベレスト登山の商業化に警鐘を鳴らしたいのは分かる。でもその題材として実際の事故を取り扱い、さも娯楽映画のように大々的に宣伝して興行収入を得るならば結局ブーメランじゃないのかなって思ってしまった。
ジョシュ・ブローリンが演じていた人は生還しているのに、中では一番やな奴みたいな感じにみえたのもつらかった。
フィクションでやってほしかったな。
たぶん来年、日本ではもう暖かくなってるころに、この作品はソフト化されセルやレンタルで出回るのだろう。
自宅でゴロゴロして、コーラとか麦茶とか飲みながら、「雪山怖いねー」なんて言いながら観るのかなあと思うと、何だかなぁ、という気分になるのだった。
絶大な存在感
驚愕する。
エベレストの雄大さと存在感。そして、それを最大限に表現しようとする3Dに。
初めて思う。
本作は3Dでこそ観るべきではないだろうか。
不自然な奥行き感はある。
が、しかし、それがあるからこそ、自然の雄大さ、人間のちっぽけな存在がクローズアップされてるように思う。
とにかく引き絵によるスケール感がとてつもない。
俺は寒い所も嫌いだし、山登りも好きじゃない。エベレストに登りたいなんて思うはずもない。
頂上に到達するまで、現地入りしてからおよそ2ヶ月もの準備期間が必要なんて初めて知った。ツアーと呼んでいいのかどうか、参加費用は65000ドルである。
…650万以上ってことだけど、マジスカ?
俺の覚え間違いかな?法外な額である。
ちっぽけな人間の、それでも崇高なる挑戦なのか無謀で尊大なプライドなのか…。
人は山へ登る。山はそこにあるだけである。
事実を元にしただけあって、臨場感は半端ない…。
山への高揚感も絶望感も、あます事なく伝えてくれてた。
そして、そんな作品を完成させたスタッフに心からの敬意を。
よくぞ、映像化してくれた。
エベレストに登るのと同じくらいの偉業だと思う。
ヒマラヤ登山を再考する契機にしたい
1996年にエベレストで起きた遭難事故をドキュメンタリータッチで描いた作品。ヒマラヤ現地で撮影したフイルムを3Dにしたもので、ベネチア映画祭の、オープニングで上映された。風速320M、気温がマイナス26度、気圧は地上の3分の1といった世界最高峰エベレストの厳しい自然状況で、毎日機材を運び上げ、役者達と移動しながらの撮影は困難を極めたという。
ストーリーは
ニュージーランド人、ロブ ホール(ジェイソン クラーク)は、公募登山隊を率いてヒマラヤに向かった。彼はたった7か月の間に7大世界最高峰の登頂した記録を持ったプロの登山家だ。家には妊娠中の妻ジャン(キーラ ナイトレイ)がいて夫の出発を不安がるが、そんな姿を笑い飛ばして彼は自信満々で家を後にする。登山仲間で同じくプロのスコット フィッシャー(ジェイク ギレンホール)も同様に公募登山隊を率いて、一緒に山頂を目指す。様々な人々が大金を払って世界の最高峰を極めるために集まってきていた。テキサス出身のドクター、プロのカメラマン、郵便局員、日本人の難波康子も居る。長年の夢を形にするため、登山の自己記録を更新する為、自分の能力を見極める為、家庭が崩壊しかけていて自信を取り戻すため。参加者はそれぞれが事情を抱えているが、山では隊長に絶対服従が原則だ。
ネパールのルクラからは、ポーターとヤクの力を借りてエベレスト街道を、高所に体を慣らしながら一気にベースキャンプまで登る。5364Mのベースキャンプには、大型テントが張られ医師も待機している。テントの中で、いっときの隊員同士の交流も楽しいものだ。やがて、出発。第1キャンプから、第4、最終キャンプまでの無数のクレパスを渡り死と隣り合わせの登山、そして登頂。山は一時晴れていても午後からは天候が変わり霧に覆われたかと思うと、吹雪になる。隊員たちは好天に恵まれ登頂を果たすが下山途中、猛吹雪に見舞われる。ロブ ホール、スコット フィッシャー両隊長は、隊から離れで衰弱死。隊長を失った隊員たちは一人、また一人と遭難し命を失っていく。この事故で11人が亡くなった。
というお話。
この映画がヒマラヤ現地撮影でなかったら見なかったし、興味ももたなかっただろう。実際にクレパスに梯子をかけて渡るシーンや、吹雪のシーンも臨場感をたっぷり楽しめる。エベレストの頂上は8848M、ベースキャンプは5364Mの高さ。映画ではベースキャンプのシーンが多いが、ここでも余程、高所順応の訓練をしておかないと高山病で認知不能になったり呼吸不全を起こす。
文句なしの世界最高峰ヒマラヤ登頂は、英国遠征隊によって1921年に始まった。彼らは、チベット側から入山し、7020Mのノースコルにまで至るルートが作り、初めてエベレストの詳細な地図が制作した。この第1次遠征隊からジョージ マロリーは参加している。その後マロリーは、1924年の第3次英国遠征隊で、山頂を目指して8572Mの北壁トラバースを成功させるが、そのまま行方を絶った。1953年にエドモンド ヒラリーとテンジンが世界で初めてエベレスト登頂に成功したと、公式に記録にされているが、その29年も前に恐らくマロリーは登頂に成功している。登頂していたら山頂に残してくると言っていた家族の写真が遺体になかった。しかし、持っていたはずのカメラ、ヴェストポケットカメラが見つからないので、彼が登頂したかどうかは永遠の謎になった。マロニーは、どうしてエベレストの登るのかと問われて、「そこに山があるから。」と答えた。この言葉は、ロマンそのものだ。わたしは、マロリーが片足を驚くほど高い岩にかけ、蛇のように滑らかに岩に取り着いて登って行った、という彼の登り方をまねて山を登る自分をよく夢にみた。
憑き物に付かれたように山に登った時期があった。八ヶ岳、槍ヶ岳、穂高の山々、白馬岳、、、黙々とひとりで歩いた。山頂からの乾いた風、霧に包まれて足元を頼りに歩く岩の確かさ、突然出会うライチョウの愛らしさ、可憐な山岳植物、チングルマの群れ、落葉松、、、山に居ると自分が浄化されるようで、山から地上に降りてくると、下界の喧騒に耐えられず翌日にはもう山に帰りたくなっている。3000M級の高所を歩くから、日焼けで顔が赤銅色になって腫れ上がり、何枚も皮がむけてくる。自分では全く気にならなかったが、20代始めの娘の顔に、はがれかけの皮がいくつもくっついてケロイドのようになった顔で、人に会うとよくギョッとされたものだ。山はわたしにとって、本当に「特別な場所」だった。どうして山に行くのか、山をやらない人に問われても、答えようがない。
この映画の中でも、ベースキャンプでジャーナリストに、どうしてヒマラヤを登頂したいのかと問われて、そこにいた全員が声をそろえて、だって「そこに山があるからさ。」と言って、ゲラゲラ笑うシーンがあったが、そんなものだろう。答えようがない。
映画で描かれたように、1996年のこの登山隊では、隊長のロブ ホールが公募で集めた登山家達を登頂させ、全員無事に下山させなければならなかったところを失敗した。一人の隊員が前回 登頂目前で天候の悪化で敗退しているので、二回目の挑戦で何が何でも登頂を成功させたかった。その男のために判断を誤り、下山の時間が遅れた隊長のロブ ホールは、突然の天候の豹変によって下山できなくなった。隊長を失った隊員たちは下山中、猛吹雪に襲われて次々と倒れ、11人が命を失った。難波康子も、ノースコル目前で、倒れて起き上がれない。最終キャンプの手前、酸素を使い果たし、一緒に下山した仲間たちは、自分が呼吸するだけで一杯で、倒れた者を助け起こすことができない。まだ生きているのに放置され凍死していった彼女が哀れだ。どうして隊長が一人の登頂にこだわって下山時間を守らなかったのか。トランシーバーがあったのに、どうしてノースコルにサポート隊を呼べなかったのか。難波康子は早大卒業後、航空貨物会社に勤めながら、スポンサーなしで、自分のお金だけで次々と世界7最高峰を制覇した、ものすごい人だ。本当に惜しい登山家を失った。こうしてドキュイメンタリータッチのフイルムで観ることになると、本当に悲しい。彼女、無念だったことだろう。
ジェイソン クラーク、ジェイク ギレンホール、キーラ ナイトレイ、エミリー ワトソン、サム ワーシントンなど豪華な役者をそろえて、ヒマラヤ現地で撮影した3Dの、お金のかかった映画だけれど、山をやる人(山屋)人口は、それほど多くない。現地撮影のために多量の機材を使い、のべ数千人のシェルパを雇い、莫大な資金をかけて制作された映画だが、山の好きな人にしか共感が得られないのではないか。山に興味のない人にとっては、勝手に山に行き、家族に死ぬほど心配させて、未亡人にしたりする男達が単なる「わがまま男」にしか見えないのではないか。
お金があれば、月にもヒマラヤにも行ける時代になった。エベレスト街道出発点のルクラには、テレビ、シャワーつきの快適なホテルもでき、標高4000Mというのに、インターネットも携帯電話も使える。手軽なトレッキングが大流行だ。ヒマラヤは登山ビジネスが盛んになり、ネパール政府にとっては観光が最大の資源となっている。
しかし登山家たちが残してくるゴミと糞尿が深刻な問題になっている。また商業登山家が増え、渋滞も深刻だ。山頂近く、ヒラリーステップは、頂上直前に聳えている高さ12Mの岩と氷の壁だが、それを登るために登山家たちは列を作って待たなければならない。呼吸するだけで体力を消耗する8000M以上の高度で、一人ひとりが登っていくのを待ったり、下山してくる隊をじっとして待つことは、衰弱と疲労遭難死を誘発する。最終キャンプから頂上まで往復するのに18時間。酸素ボンベは6時間しかもたない。仮に登頂できても、酸素ボンベを3本背負って下山するのが本来の登山家の姿だ。しかし使い切った酸素ボンベは捨て置かれる。
ヒマラヤには、危険で回収できない120体あまりの遺体が凍ったまま眠っている。おびただしい数の捨てられた酸素ボンベ、岩壁に残されたハーケン、カラビナ、ザイル、梯子、そして凍ったまま土にかえることのできない人糞。たまりかねたネパール政府は、登山許可に、自分のゴミに加えて8キロのゴミを持ち帰ることを登山家たちに要求するようになった。良いことだ。もうヒマラヤに登る目的を変更する時期ではないか。富める国からヒマラヤにやってきて貧しい国に金を落としていく、その意味を考え直す時期だ。すでに世界中のどこにも未踏峰の山はなくなった。先人たちは後から来る者たちのために登山ルートを作り、道程を開発してくれた。初登頂、女性初登頂、最年少初登頂、最高年齢初登頂といった記録も残してくれた。しかしもう、世界一を競うのではなく、人類全体の共存を求めていく時期にきている。これから生まれてくる子供達のためにも、人が生きやすい環境を求めていくことでしか山を語れない。聖なる山を取り戻す必要がある。
ゴミを拾うためにヒマラヤに登る、野口健のようなアルピニストが本当のヒーローだと思う。この映画には感動しなかったけれど、彼の「ヒマラヤをピカピカにしてやる。」という言葉に心から感動した。
迫力映像 でもシェルパが・・・
映画館でエベレストが体験できる映像には素直に感動する。
そしてエベレストに登ることがどういう事なのか?漠然と伝わって来る。
ただ思ったのは、キャンプ設営、ハシゴを事前に運んでセットしたのも、ロープを張ったのもすべてシェルパが事前に何日もかけてやった事?
だとすると、登山家が「頂上を踏んだ」と興奮したところで、少なくとも半分以上はシェルパの恩恵だと感じる。
そして、そのシェルパが近年一部でひどい扱いを受ける事もあるようだ。
そこに焦点を当てると別のテーマになってしまうとは思うが、余りにもエキストラ扱い過ぎると感じた。
かなしかった。。
ロブが生きて戻れなかったことが
悲しかった。
実話ということだけど、
あの無線と電話は、実際はどうだったのだろう。お腹の赤ちゃん、サラに会えなくて悲しい。
日本人のやすこさん。7つめ達成したのに、
戻れなかったんだ。
見終わったあとは、悲しい気持ちと
疲れました。
山は怖いな。
2Dのつもりが3Dだった。
あんまり意味ないし、少し暗くなるから
2Dで見たかったかも。
自然の厳しさがメイン
実話だかこの映画は自然の恐ろしさをメインに写しているようだった
迫力は思っていたほどでもなく
ただただ山が怖くなる映画
見終わった後も実話だと思うと気分は沈む
しかし、
綺麗にまとまってないか?と思った
もっと人間のドロドロとしたものが
あったんではないか
劇中で顧客が「高い金払ってんだからちゃんと頂上まで登らせろよ!」と怒る場面
助けたのにそんな事を言われる
実際にはそういった場面がいろいろあったのでは
そして遭難の原因にそれが大きく関係していたと思う
けれどこの映画ではそういったものはあまり描かれてない
むしろ人間関係は綺麗な写し方だった
実話ということで
観る人に自然の厳しさを強く感じてもらいたい
それがメインになっている映画だと思うが
実話故に事件の原因やら人間たちの方が気になった
エベレスト遭難事件の映画はこれが初だったからそう思ってしまったのかもしれない
自然は厳しいなんて言われなくても知っいるからそこをメインにされると訴えかけるものが少なく感じた
そこを伝えたいなら山で起こる病気にも重点置いたらよかったんじゃないか
ボンベがないって言ってたのは
高山病のせいだろうにそれとわかる描写は無かった
そんなかんじで色々不満があったので星3つ
観た後に暗〜くなりました
まぁ観る前から想像は出来ましたが、登山でハプニングに遭い死んでいきます。
主人公の方だけは生き残ると思っていたけどダメだったようで見終わった後疲れました。
しかし、作品としては退屈せず楽しめましたので良しとしましょう。
謎としては置いておいたはずの4本のボンベが何故空だったのでしょうか?
あと、南アフリカのチームと出発前に揉めてましたが、特に後半出てくることもないし意味あったのか??
もう1人の人と仲間になるようになったから良かったのかな?
とにかく雪山登山は危険だと言うことだけはわかりました。
全36件中、1~20件目を表示