「批判も正論……。」エベレスト 3D れーいさんの映画レビュー(感想・評価)
批判も正論……。
まず言っておきたいのは、イカれたように豊作の続いた2015年の上映作品中でも、この作品は上位に食い込める位の質を持ってると個人的に思います。
ただ、いくつかの要素のおかげで、とても評価の難しい作品ともなってしまったんじゃないかと思うんですよ。はい。
まず最初に、邦題が致命的。
ただ原題のエベレストにすれば良いものを、語尾に3Dつけちゃうもんだから、内容より敷居を落としたエンターテイメント作品ぽくなってしまった。
オマケに、観た人達のレビューで、3D云々の迫力云々言われる始末。
そのタイプの映画を期待して観た人達にしてみれば、この映画はまさに期待外れもいいとこだろって感じです。
次に、スターがいない。(これはあくまでも個人的に思っただけです!そんなことないって人も勿論いるのはわかってます。)
決して役者達が悪い訳ではない。むしろしっかりとした実力を持つ役者が揃ってる印象です。が、そこの中にスターはいない感じがした。
例えば、ジェイクをスターと呼ぶには、少々クロウト好みの演技派的なイメージがあるし、派手なハリウッドとの食い合わせが悪く、ファン層が違う気がする。
クラークとブローリンは顔に個性がありすぎる。
キーラはスターと呼ぶには弱い感じ。自分は凄く好きな女優だけども……。
そして、そもそも登山家という、かなり特異な存在が理解できない人達がほとんどなのではないでしょうか?
盛大な大金と時間をかけて、ひたすら辛く、ただ立ってるだけでも命の危険にさらされる場所に行く。そこは凄い景色かもしれない。達成感もすごいかもしれない。が、それは価値として見合っているのか?あげく、自分以外の人達にまで迷惑かけてたり、それでいいのか?
これを感想にあげる人達のレビューは基本的に低めが多いですね。そして、その感想はまさにその通りですね。
そこの疑問に漠然とでも答えだったり、価値観を見付けれた人は、登場人物達への感情移入が半端なかったのではないでしょうか?
とは言え、それは正解不正解でも、良し悪しでも、好みでもなく、あくまで価値観の違いなんで、「ちゃんと観ろ!」みたいなのは通用せず、合う人と合わない人に完璧に分かれた、とても評価の難しい作品となってしまったのではないでしょうか?
ってのが感想です。はい。