「最強親父の最終章(?)」96時間 レクイエム ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
最強親父の最終章(?)
まあ。まあ、最終章と銘打ってはいますけども、どうなんでしょうか。第四弾、あるでしょ?あるんでしょ?ねえ?という、非常に非常に含みを持たせた終わり方でしたが。でしたが。あーいや、うん、気が早いですよね。取り敢えずまた戻ってきてくれましたって感じで、リーアム兄さん。それだけで満足なんですけども。今回も随分とお早いご帰還でした。前作から二、三年ぐらいですか?娘大好き!娘命!の最強親父が大暴走の名物シリーズ『96時間』の第三弾が開幕致しましたよ。
リーアム兄さん演じるブライアン・ミルズというキャラクターの持っているポテンシャルはまだまだこんなにあったのか!と。衰え知らずというかパワーアップしてるっつーか、見事に、フルに咲き誇っております。いやいや無敵過ぎるでしょ?と。あんたの現役を知らないけど、本当は今こそが現役なんじゃないの?と。
シリーズ毎度の冒頭で、少し哀愁漂わすお父さん像を見せてきて、物語のアクセルが踏まれるや突如として鬼ソルジャーに変貌するお決まりの流れでまずニヤリとさせられるんですね。あ、今スイッチ入ったね、と。で、このお父さん、正義の味方って訳でもないもんだから、公共物を平気で破壊するわ爆発炎上させるわ、罪なき民間人も(多分)負傷者のオンパレード。他人にとっちゃ大いなる迷惑でしかない行為を何度も繰り返すっつー、あのパターンが今回は飛躍的に進化しとります。ちょっと笑っちゃうぐらいです。元妻殺しの容疑をかけられて真相探る為に逃亡図った兄さんなんですけども、妻殺しどころの騒ぎじゃないだろこれ!ていう超絶破壊ですからね。
で、まあ、そういう意味では満足度は高かったんですよ。ですけど、元々この『96時間』ってのは、続編を強く想定してなかったと思うんですよね。だから原題が『Taken』なのに、こっちだと邦題に『96時間』て付けちゃったぐらいで。でも、ほら、もう96時間は関係なくなってるじゃないですか。「誘拐された被害者が無事な状態でいる猶予」的な意味の96時間であって。あと一作目は「何者かに誘拐された娘を必死に探す無敵のお父さん」という1コンセプトのみでストーリーのサイクルが回ってた訳じゃないですか。もうね、三作目となると、そのコンセプトから大きく外れちゃってるんですよ。「普通」のアクション映画になっちゃってる。そこがね、まあなんというか、少し残念ではあります。嗚呼、うん。「普通」だよね、と。前作のリベンジからもうかなり無理を感じてたんですよね。『96時間』らしさ出すのって辛いよなあ、と。
まあだからこそ、第四弾を期待しているんですが。娘の誘拐はもうネタとして使っちゃったので、次回は、ほら、また別の身内?新しい家族?の誘拐とか。
続編、待ってます!