「美しく無情に過ぎ行く人生観」とうもろこしの島 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
美しく無情に過ぎ行く人生観
美しく怪しく緊張感に満ちた静かな映像が展開する。ゆったりとした絵画的な映像が続くため、退屈になりそうになるところを、あらゆる事柄でもって巧みに緊張感を作り出し、淡々と、いわばミニマル的に続く映像でありながら、最後まで集中力を切らさず凝視していたように思う。
設定も展開も制作の手法も、すべてにおいてどことなく懐かしさを感じさせるものであり、悪くいえば古臭いものであり、良くいうと王道を行く映画だったという印象。
セリフも説明的なところも少ないため、全ての面でぎこちなさを感じるが、そこからにじみ出る違和感というものが、何とも言えないリアリティーを生み出していて、最終的には普遍的な人生観のようなものを感じてしまった。
そう思うと尚更、展開された映像の力強さ・素晴らしさに感服してしまう。
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