「人間くさくて良かった」フレンチアルプスで起きたこと Nana Shinozakiさんの映画レビュー(感想・評価)
人間くさくて良かった
クリックして本文を読む
雪崩が怖い、ということしか知らずに、ディザスタームービーかと思って観たら、思ってたのと違ったけど、ある意味そうだった。
じわじわじわじわ、雪崩が起きそうな気配、あの音楽怖い、音楽以外の色んな音も異様に怖い、余波が起きたり・・・
ポランスキーのおとなのけんかみたいな、それをもっとエグくしたような感じがした。
旦那の情けないところ、奥さんの嫌らしいというのか、子どもっぽいというのか、あんまり良くないなぁっていうところ、容赦ないなぁ。
子どもが子どもらしくて良かった。
おねぇちゃんがゲームしてる横で弟がベッドでぐんにゃりしているところのぐんにゃり感が良かった。
子どもの時に家族で毎年スキーに行っていたという個人的な記憶ともなんだかはまって、スキー場の静かな感じとか、リフトの上の心細い感じとか、リフトが柱を越す時のガッチャンって音とか、うわ〜っとなった。懐かしい。
あんな豪華なホテルじゃなくって部屋の中でもタオルが凍るようなところだったけど。
弟が裸でアイス食べてるシーンは、どんだけ室内あったかいんだと思った。
人間の情けないところがいっぱい描かれてるけど、そういうのに対する愛も感じた。結婚して子どもを持つのも悪くないかもしれないと思った。
最後はまたちょっと突き放されて終わった感じで、クールだった。かっこいいんだか悪いんだか分からないラストの行進シーン。不思議に清々しかった。
コメントする