1001グラム ハカリしれない愛のことのレビュー・感想・評価
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「人生で一番の重荷は」
良い意味で予告に騙された一本。 軽い恋愛モノを予期してたら、もっとオサレでビターで含蓄深いのが出てきたこの大きな喜び。 「人生で一番の重荷は、何も背負うものが無いだ」 はっきり言ってしまえば「恋愛ものではない」のがこの作品の魅力。 愛とはなんだろう、という普遍的なテーマを考えさせられる「1001グラム」を示す数値。 哲学的、いや宗教的ともいえる「日常から出かける知の探求」作品。
静かな映画
ノルウェーの人は無口な人が多いのかな? セリフが短く、間が良かった。 1人で黙々と仕事をして、ガラーンとした家に帰って、半分しかマットレスのないベッドで寝ている。 ハカリの大元を扱う人達の集まりが、やはりとても静かで、ユニークだ。 風景、道路の大きな穴、車、荷物チェックなど細かい所がとても丁寧に作ってある映画だった。
度量衡について考えさせられます。それと、人生とね。
第27回東京国際映画祭コンペティション部門出品。アカデミー賞外国語映画部門ノルウェー代表に選出。 ノルウェー国立計量研究所に勤務する計測のプロが、自分の人生は思い通りに“計測”出来ず思い悩み、人生を見つめなおす物語。 劇中「人の魂の重さ」に言及するシーンが有るんですが、実際に、人の死亡前後などの重量を測定してみると、死んだ時に抜けるガスや液体など、様々な現象を考慮しても、どうしても説明できない誤差があるらしく、それが『魂の重さ』と言われていたりします。この作品では、遺灰を測定するときにその重さを感じさせる様な演出がなされていますが、それはちょっと違うよねぇ。だって、遺灰にするときに全て抜けてるじゃん。まぁ、そんなツッコミは良いとして、厳密に計量することを旨とするノルウェー国立計量研究所に関わる話としては非常に興味深い話だと思いました。 それともう一つ。時間(秒)や長さの定義は、地球を基準とするとゆらぎや誤差の影響を免れないので、現代では物理現象を基準とするようになっているのですが、重さだけはまだキログラム原器に依っているんですよねぇ。だからこの物語のように、キログラム原器の破損(!)の様な出来事が描けるわけです、ただこれも、劇中で描かれているように、より確からしい物理定数による定義に変えようとはしているようで、それが実現されれば、この物語のようなことはなくなってしまいます。 どちらも実在する「ノルウェー国立計量研究所」と「国際度量衡局」での撮影されています。「国際度量衡局」って、あんな瀟洒な建物なんですね。いやぁ、国際的な研究機関とは思えないです。逆に、「ノルウェー国立計量研究所」はスタイリッシュ。それでいて機能美を感じさせる建物でした。 「計測」と言う事を描いた物語だからなのか、あるいは、ノルウェーと言うお国柄なのか、非常に淡々と物語が進みます。それだけに、主人公の人生の思い悩みを感じるような気がしました。
初めてこの監督の作品を見た。
色がとても綺麗だ。 色が綺麗なだけでなく、その色自体に皆意味がある。色が全てを表現している。その凄さ。途中の主人公の会話の見事さ。何も言わずに全てを表現してしまうような表現力何もかもよかった。 ただ、とても控えめな映画なので見る人は選ぶ気がする。
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