薄氷の殺人のレビュー・感想・評価
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雰囲気は良かったが、、、よくわからん!
唐突な終わり方を始め、流れが突然飛んだり、言葉で語られない部分が多く、事件の真相が果たして観て理解した通りだったのか?
鑑賞後も確信が持てず、モヤモヤが残る。
序盤にある床屋での銃撃シーンが、個人的なクライマックス。
女優は綺麗で魅力的だし、その他の役者たちもクセがあって良かったが、とにかく難解だった。
立派なファムファタール
『罪の手触り』もよかったけど、こっちもよかった。しかし、中国ではこういうものの観客はどのくらいいるんだろうか。日本ではあまり作られなくなったな。観客の想像力を要求するものは毛嫌いされてるからな。
とにかく、中国という装置を使って、ミステリーという枠を使って、ファムファタールを作り出して現代映画に落とし込んだ意欲作。頭いいしかっこいいが、私は『私の男』のほうが好き。
干洗の女
エンドロールにジャジャンクーやトニーレインズの名前が見えるのは伊達じゃないけど、やっぱりベルリンは信用ならない。確かに寒い感じは凄くよいし、ヒロインも良い感じだし、美容室のモヒカンの容疑者もシャツをまくって腹見せてる金髪の不良も、ピンクの照明のチープさも、ダンスホールの感じも、そこでかかってるエレクトロ歌謡も、スケートリンクも、観覧車も、登場人物たちの鼻の赤さも、そもそもダサいタイトルロゴもまとめて良い感じなんだけれど、フレッシュじゃない。一瞬の夢がフレッシュだったのはある意味映画史から自由で、職業俳優を使っていなかったからだ。薄氷の殺人はちょっと手練れ、色んな目配せがなされている。唯一おぉ!となったのは昼のダンスホールで、ラジカセのエレクトロ歌謡かけて、皆が社交ダンスレッスン中に1人で頭を振って踊るシーン。こみ上げてくるやるせなさが良い感じ。
この映画で素晴らしいと思ったのはロケーション。中国の郊外で撮影され...
この映画で素晴らしいと思ったのはロケーション。中国の郊外で撮影されたという、人の足に踏まれた小汚い雪景色や、逆に汗ばんだ土の質感などが脳裏に焼きついている。文学を専攻してきた監督らしいと言って良いのかわからないが、散文的な話運びは人を選びそうだけど、僕は好きです。どことなく北野映画バイオレンスを思わせる感じもグッド。
寒い雰囲気が良い
なかなか難しかったです。
寒く、m寿司い感じの描かれ方がとても良い。
が、映画構成が今一つのためか分かりにくい・・・・
BGMも少なく陰気なので、シーンによっては眠気が・・・・
それが余計にわかりにくくしている。
しかし、この女優さんの醸し出す雰囲気は良かった。
皆さんの言う通り、邦題は×!!
IQ高い観念映画で通受け、私はNG
冷たく抑えたトーンで、中国の底流の心象を描く。サスペンスでもあり、恋愛でもあり、社会派でもあって、中国の現実を万華鏡を回すように、映し出す。
凝ったカット、ストーリー展開に、敢えて異質のもの、無関係なものを挿入し、観客の生理を乱す運びなど、実に計算された映像の連続。。。
素直に観る者を混乱させ、必死にサスペンスの筋を追う者を、ぐったり疲れさせる、難解でハードル高い映画だ。
映像が意味する暗喩が凄い。
映画の玄人がこの作品を高く評価するのは判るけれど、私はその理屈の連続に辟易して、全く楽しめなかった。
狂気を感じるラストシーンで、もう勘弁というくらい、打ちのめされて終了。
中国と香港の合作で、こんなハイレベルな映画が出てきたことに、驚いた。
粘度が高く息苦しさすら感じる空気感に浸る作品。
良かった。
作品全体に通底する静かで重暗く冷たい雰囲気。
粘度が高く息苦しさすら感じる空気感。
淡々と話が進む中……突如、登場人物達の感情が衝突/爆発して息を呑む。
そして再び静かな場面に戻り息を吐く。
息を吐き吸い込む空気はやはり重暗く息苦しさは続く。
作品の軸となる元刑事ジャンと未亡人ウーの関係性。
その関係性の読み取りこそが本作の面白さかと。
或る行動の真の動機を、後の別の場面での行動(結果)を通して初めて知る。
作中では分かり易い“切欠”は描かれないため、両者の動機を読もうと意識が集中しました。
両者共に器用な人間に見えない分、色々な可能性が残り展開に期待が持てました。
また話の作りを成立させた役者陣も良かった。
主役2名は共に良かったですが、特筆すべきは未亡人ウーを演じるグイ・ルンメイ。
自らの人生に対する疲れと諦観が滲み出た表情、佇い。
正体不明、だけど思わず肩入れしたくなる雰囲気が体現されており話に納得感を与えていました。
惜しむらくは提示される要素の配分バランスの悪さ。
心情を台詞で説明しない点は好感が持てますが。
心情を読み取るための要素のバランスが微妙に良くない。
玉石混合、石多めで若干混乱。
確かに真相の可能性を広げるための要素提示は必要だと思いますが。
その按配が微妙に合っていない気がして…その点は残念でした。
粘度が高く息苦しさすら感じる空気感に浸る本作。
鑑賞直後の消化不良感。
鑑賞後、時間経過と共に作品の雰囲気/空気感が肚に落ちていく感じ。
個人的には原題「白日烟火」の方がより適切な題名と感じる作品でした。
オススメです。
頭からぬけない…
わかったようなわからないような…。
猟奇殺人に絡んでひとりの幸薄な女性を調べていくと意外な事実が…。
全編淡々と進行していくけどひたすら目を離せられない。中国北部の寒々しい景色とうらぶれた元刑事、クリーニング店の不幸そうな女性、全ての映像がストーリーにマッチしてなんとも言えない世界が続きます。真相を知ったのに感情を我慢できない刑事みてるとこちらもいろいろ考えちゃうし…。
ラストの花火もなんとも言えない演出で良かった。
邦題がまたドンピシャで。久々に、いいタイトルだな〜、って思いました。
タイトルは原題のままが良い
懐かしい空気感で、セリフは多くなく映像や間で感情を伝えてくる作品。中国映画なかなかやりますね。
ストーリーは難しくないけど説明不足だったり急展開過ぎてわからなくなるところがいくつかあって、観ながら頭の中で復習したり補正かけたりしてなんとか繋げられた感じ。雑誌とか新聞のレビューやあらすじを見て予備知識を持っておいた方が良いかも。
ラストはある意味予想外で普通もう1シーンあるところでスパッと終了。えっ!?って感じだけどその先は想像がつくし、いらないってことなのかな…そういうの嫌いじゃないけど(笑)
しかしなんでわざわざ配給会社は邦題着けたがるんだろう。白昼の花火の方が断然ハマっているのに。
余韻がいつまでも続く
娯楽映画なんだけど、娯楽だけではない映画だと思います。シリアスな要素も多いし、観てスッキリ!ではない。でも、なんともいえずよかったです。
観てからずっと、この映画の様々なシーンが自分の中で立ちのぼってくる感じがしました。
生きる辛さ、人生の暗い面、その中で出会う愛、が描かれていると思います。主人公が、同僚といるときは明るくおどけてるのに、ふっと孤独感をにじませたり、容疑者の女性に惹かれながらも、警察官として、事件の真相に迫らずにはいられない姿にはリアリティがありました。
最後、澄んだ冬の空気の中を大量の花火が降り注ぐのですが、「君への愛は本物だった」という、主人公の愛の表現のように感じられました。
観てよかったです。
グイ・ルンメイが印象的
サスペンス娯楽映画と言い切ってしまうのは躊躇されるほど、現代中国の人々の心の闇をスクリーンいっぱいに広げている。
容疑者の妻に接近する刑事は、その女に次第に魅かれていく。その過程とラストの花火のシーンへの刑事の心情描写がもう一つ伝わってこない。なぜそこまでその女に魅かれるのか。答えが、演じていグイ・ルンメイの魅力しか思いつかない。
この二人が食事をする包子と粥がとても美味そうだった。包子を食べたいのに、日本にはコンビニの中華まんくらいしかないようで、残念。
白昼の花火
ストーリー自体は、割とありきたり。
風景も、一世代、二世代前の邦画を思い出させる懐かしさ。
予告編を観た時に、今時こんな古臭いのをやってどうすんだと正直思った。
が、古臭さが逆にみずみずしい。
ピシっと計算しつくされた映像なのに、どこか遊びというか余裕があるのもイイ。
—
原題『白昼の花火』。
闇のなかで極彩色にかがやく花火も、白昼に打ち上げられたら音と煙でしかない。
昼と夜、情熱と冷血、真と嘘、淑女と悪女、現実と寓話を反転させた世界。
1920〜30年代のハードボイルド、ハメット「銀色の目の女」を彷彿とさせる。
それがマッチしてしまう現代中国のコンプリケーション。
真実はやや消化不良。愛憎が生んだ猟奇的サスペンス。
【賛否両論チェック】
賛:静かな雰囲気の中、いきなり事件が起こったりと、ハラハラのさせ方が印象的。謎解きの要素もあり。
否:伝えたいことはよく分からない。ラブシーン・グロシーンもあり。
謎解き要素は勿論ですが、BGMが少な目な雰囲気の中で、急に予想外な出来事が起こったりなど、緩急が非常によくついている印象がします。ただ、ミスリードのためなのかは分かりませんが、
「このシーン・・・要る?」
「この登場人物・・・必要?」
と感じてしまう部分も、結構あります。主題歌も、正直物語の雰囲気にはあまり合っていないように感じます。
ラブシーンやグロシーンもありますので、ミステリー好きな方であれば、観ておいて損はないかと思います。
主人公の人間が定まらない…
クライムは相変わらず暗く冷たいですが、プロットは悪くないです。
ヒロインの哀しい美しさの理由が分かります。
なのに、このイライラ感は何故?
犯人もヒロインも同僚の警官達も、みんな真面目に悩んでるのに、主人公ジャンひとり何がしたいのかわからない…。
これが予定調和を外す監督の演出だとしたら、大成功ですけどf^_^;)
受賞の重さを思う。
ロケーションが素晴らしくイイ。
一つ一つのシーンに、生活の息吹を感じる。
主演の二人もイイ顔をしていると思う。
しかし、感情を動かされたり、移入したり、ということが全くなかった。
男が女に入れ込むあたりの描写が、私にはピンと来ず、また、事件の顛末も驚きを感じませんでした。
期待してたんだけどな。
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