「「間抜けな2人 -空白の12年-」」あと1センチの恋 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
「間抜けな2人 -空白の12年-」
「あと1センチの恋」見ました。
平日夕方の鑑賞なのに激混みでした。劇場内は8割方埋まってて、その9割強が女性。オブスティールな私はかなり心細い。だけど見終わって、マンが少ない理由も納得かな。
巷じゃ恋愛映画ではベストなどと言われてますが、それは言い過ぎだと思う。主人公2人の関係を甘酸っぱいだ何だと美化するのは悪くないが、素直になれないってだけで人生の十数年を彼らは無駄にした。その十数年を無駄にする原因は、18歳のパーティで彼女がテキーラの飲み過ぎで潰れたから。その後のすれ違い人生は言わずもがな。無駄にした十数年で彼女には最愛のケイティを授かったことだけが唯一の救い。ミキティー!
普通に見れば切ないラブストーリーなんだけど、同じような経験をした人が見るにはイライラするだけだと思います。映画ほど壮大ではないが、正直になれずに逃した恋が自分にはある。だからと言ってその場で他の相手を漁るほどの暴挙には出なかったが、彼らはそうした。しかも、間違っていると分かっていながらだ。彼らは本当に大バカ者としか言えず、十数年後に結ばれたから良かったねとは口が裂けても言えない。手紙を隠す下りとかも笑えないジョーク。ありがとう。
あとはタイトルについて。あと1センチで恋成立って事ですか?あと1センチで付き合えるのに、って事ですか?恋はしているし、しかも両思いなんだからあと1センチの恋ってのは分かりづらい。「あと1センチのキス」とかの方が気が利いてると。又は「 間抜けな2人 -空白の12年-」というタイトルにしてほしかった。”間抜け”と”12年”という言葉は必要ですよ!!ねぇ!
これは大筋と関係ないけど、主人公の彼がかっこよくないばかりか、胡散臭いレベルの顔。マイケルファスベンダーをボコボコにしたみたいな。全く理解できない。ヒロインも元々の見た目が幼いのに、12年後も全く顔が変わってない。説得力まったく無し!おつ!
納得した部分は、コンドームを穴の中に忘れる時のSEXの下り。挿入する時の彼の焦りぶりと強がりっぷりがかなりリアルだった。若い頃の自分を見てるようで笑えた。2ストロークで果てるのはやり過ぎ。笑
総じて、大袈裟で杜撰な映画です。映画を見てドン引きしたのは今作が初めてでした。あんなに簡単にSEXしたり妊娠したり結婚したり離婚したり逝去したり表紙飾ったり復縁したりHotel作ったり、もはや日本の大人気漫画「コボちゃん」をサイコサスペンス×恋愛で実写化したような映画。
あと、この場にネタバレレビューを書いて、ネタバレロックをかけない人がいたのは残念。劇場で、隣のヤツのケータイが何回もブーブーなってたのも、ドン引きした原因の一つかも。雑音無しの状態で鑑賞できれば、もっと楽しめたはずだ。