「”総集編”なのに、泣きそうになった」劇場版 蒼き鋼のアルペジオ アルス・ノヴァ DC 平田 一さんの映画レビュー(感想・評価)
”総集編”なのに、泣きそうになった
TVアニメは見たことなかったけど、主題歌「Rock On」が流れるPVで完全に心撃ち抜かれて、仕事終わって直行レイトショーに滑り込んで見に行った。
結論は”想像以上”だった!去年ヤマトの総集編も一度見に行ったのだが、一度TV版を見ていたから、本当にダイジェストを見ているだけだったが(嫌いじゃないよ)、こっちは初めましてだから、感じ方が当然違ってた。前半のいかにもダイジェスト感はちょっと不満があったけど、それを超えたそこからの”意志”と”心”の大きなドラマに感動させられ、熱中させられた!しかもそこからこの作品の”映画感”が一気に高まる!
その”映画感”を支えるのは、間違いなくキャラの変化。”霧”の一つにすぎなかったタカオは主人公・群像と出会ったことで、「艦長」の概念に興味を持って、群像に恋心を寄せていくし、片想いに悲しみながら救うために身を投げ出すとか、ここで既に泣きそうになった。しかも死んだと思ってたらマテリアルボディで復活するから、退場しなくてほんと良かった。沼倉さんのお芝居も良い(『恋愛ラボ』のリコが好きなので)!
あとハルナとキリシマと薪絵の交流も、”心”に翻弄されるコンゴウも作品を支える深いテーマを、これ以上ないくらい伝えてくれた!特に無自覚な自分の”心”を否定しようとするコンゴウはコミュニケーションが不得手な”今”の僕らを具現化するようなキャラだった。
もちろんメインヒロインのイオナの話も、書いてる最中に思い出すほど。姉妹のイ400とイ402と戦う時、コンゴウを救おうと戦う姿は『ターミネーター2』の中でシュワちゃんが徐々に”人間性”を宿す姿を思い出すほど感動的だった。姉妹との別れは切なかった…。
3DCGアニメという慣れないジャンルで見るのを躊躇してるなら、僕は勿体ないって言いたい!騙されたと思って、見て欲しい!きっと得るもの大きいですから!