「駄作の極み映画」ストレイヤーズ・クロニクル 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
駄作の極み映画
片や脳内ホルモン操作で、片や遺伝子操作で、極秘機関の実験で生まれた特殊能力を持った若者たち。
どうしてもハリウッドのあのアメコミ映画が頭をよぎってしまう、ジャパニーズSFアクション。
…が、日本ではこの手のジャンルはやるべきではないと改めて思わずにはいられない出来。
昨年、「MONSTERS モンスターズ」なんてのがあったばかりだと言うのに…。
まず断っておくが、設定や内容は悪くないのだ。
人とは違う能力を持って生まれた若者たちの苦悩、葛藤。
その能力を利用され、政府要人の管理下で暗躍。
脳内ホルモン操作=チームスバル、遺伝子操作=チームアゲハ、同じ境遇でありながら、政府要人の命令で対立、戦い。
実験の副作用で成長するにつれ、内面が破綻、寿命は僅か20歳前後…。
悲しい定めを背負った彼らの運命は…!?
岡田将生、染谷将太、成海璃子、松岡茉優ら注目の若手俳優の共演。
成海璃子は若手女優の中でも指折りだと思ってるし、染谷将太はさすがの個性。
伊原剛志、豊原功輔、石橋蓮司ら実力派&ベテランが脇固め。
原作はシリーズ化もされているベストセラー、監督に瀬々敬久、脚本に「桐島、部活やめるってよ」の喜安浩平。
…と、これだけ優れた材料が揃っているのに、全てが不発、空回り。
せっかくの題材を活かし切れず、退屈極まりない脚本。
内面掘り下げに深みが足らず、躍動感も緊迫感も無い演出。
悲しい定めを背負っているのに悲壮感を感じられず、本来の実力を発揮出来なかった演技。
ショボいCG。(これに比べたら「進撃の巨人」は見れるものがある)
アクション映画ごっこしてるしか思えないアクション。(これに比べたら「るろうに剣心」は神アクション!)
「MONSTERS モンスターズ」のレビューでも書いたが、ハリウッドの同ジャンル映画と何が違うって、予算や迫力やスケールの問題じゃない。
もっと根本的なものに、全くメリハリが無い。
アクションは一旦置いといて、青春群像劇として見たとしても、彼らは自分たちが置かれたマイノリティ社会へはそっぽ向き、背負わされた定めに対してのみ陰々鬱々、ネガティブ思想。ある意味、現代っ子的と言ったらそうだけど…。
特殊能力にもとりわけ惹かれるものが無い。
アニメシリーズ化した方が幾分も面白く出来たと思う。
だって彼らの特殊能力、実写でやると失笑モノなんだもん…。
それから、あの主題歌。
公開時も映画そのものより主題歌ばかりゴリ押しされて、作品にも合ってないし、ホント耳障り!(#`皿´)
映画中盤で突然流れた時にはもう、意味不明がありあまる~♪
今年も残り早2ヶ月弱。
邦画だけでも年間ベスト作はそろそろ固まってきたが、ワースト作も然り。
今の所…
「ギャラクシー街道」「王妃の館」「ストレイヤーズ・クロニクル」「進撃の巨人」は確定!