の・ようなもの のようなもののレビュー・感想・評価
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監督の力量に残念
優しさに包まれたなら…
森田監督へのオマージュに溢れながらも、それだけでなく作品として楽しめたのが素晴らしかった一本。
この作品に関して細々言うのは、正に「粋じゃねぇ」ので割愛。
ただ、画面全体から溢れる「郷愁」は本当に、本当に良かった。
あと松ケン氏は器用だけれども、落語家肌では絶対無いのはご愛嬌か。
帰って思い出と一緒に「の・ようなもの」を観返したくなる作品。
アレ、どこにあったかな…
自然な青春落語グラフィティ
森田芳光監督のデビュー作『の・ようなもの』の続編『の・ようなもの のようなもの』、公開が待ち遠しかった作品です。
東京・谷中の出船亭一門は、大師匠・志ん扇の13回忌追善一門会の準備中。ご贔屓衆の女会長の前で、師匠の志ん米が、大師匠の死とともに行方をくらませた志ん魚のハナシを出したものだからタイヘン。志ん魚がお気に入りだった会長は、志ん魚を高座に挙げないと援助を打ち切る、と言いだした。
困った一門では、30歳の前座の志ん田に志ん魚を探し出すよう命じたのであった・・・というハナシ。
森田芳光が創造したキャラクターをつかって全然別の噺を設えた、続編のようなもの。
これが功を奏した。
ストーリーなどあって無かった『の・ようなもの』を同じスタイルで続編なんぞ作れないし、それこそお蔵入り必至だったろう。
永年、森田組で助監督を務めた杉山泰一が初監督しているが、過去の森田作品の少しだけオマージュを捧げながらも、正統な青春コメディとして成立させている。
巻頭と巻末では『の・ようなもの』と同じようなエピソードを用いているが、巻頭の「カップルが坐っているベンチに、余所者が割り込む」エピソードで、筋の良さが窺い知れる。
オリジナルでは、フレームもカット割りもタイミング悪くて、笑うに笑えないエピソードだったものが、本作では、すんなりクスクス笑えるようになっている。
フレームとカット割りが実に自然なのだ。
翻ってみると、森田芳光監督の特徴は「不自然」。
いわゆる、常識的でないところが目新しかったのだけれど、ともすればギクシャクしていた感があり、コメディではセンスが悪いように感じていました。
業の肯定。
落語そのままの世界観。心温まるほんわかコメディ。
【賛否両論チェック】
賛:一門の危機に奮闘する主人公の姿が、まるで落語のようにコミカルに描かれていくのが楽しい。思いのほか豪華なキャストにも驚き。
否:説明セリフや、少し古風な言い回しが多いので、その辺りはやや好みが分かれそうなところか。
落語家のお話ですが、ストーリーそのものも、まるで1つの落語のような世界観です(笑)。不器用で下手くそな駆け出しの落語家が、一門のピンチに孤軍奮闘する様子が、ユーモアたっぷりに面白おかしく描かれていきます。
そしてこの作品のもう1つの魅力が、超豪華なキャストの面々。急逝された森田芳光監督にゆかりのある方々が多数出演されており、
「おお!ここでこの人!?」
なんて、思わず感動してしまいそうなくらいです(笑)。
セリフの言い回しなんかは、少し好みが分かれそうな気もしますが、クスッと笑って楽しめる、ほんわか落語コメディに仕上がっています。
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