世界から猫が消えたならのレビュー・感想・評価
全273件中、261~273件目を表示
雑味が少ない真正面から観れる映画。
まずこの映画の良いところだと思うのが
「何かを失う事で手に入れた1日」に対して主人公の僕の周り以外の描写が殆どない所。
もちろん世界から1日の代償の物が無くなる描写があるんだけど
それに対して「この世界は〇〇が無くなったけど その代わりにどうなっているのか?」とかは一切描かれない
あくまで失ったのは僕であったという所が強調されていて
世界から〇〇が消えたから僕は大切な物を失って〇〇があった世界が自分にとってどうだったかを感じる事が出来る
そのプロセスに邪魔な情報が無い事がものすごく観やすくて良かった。
あとは舞台やロケーションも綺麗な画に拘っており
あまり情報を詰め込ませて無い分 綺麗な背景のシーンを素直に楽しむ事が出来たと思う。
この映画 佐藤健さんの演技も素晴らしく
1人二役な配役で 自分との掛け合いのシーンが多めなんだけど テンションは勿論の事
声の質から使い分けられてる感じがして
目を瞑って声だけでも どっちがどっちかを聞き分けられる気がします。
久しぶりに泣けた~
う〜ん、微妙かな⁈
消えていくものはすべて大切なもの
北海道の田舎町で暮らす郵便配達員のボク(佐藤健)。
母(原田美枝子)を亡くし、時計店を営む父(奥田瑛二)とは母の死以来疎遠。
大学時代からの友人ツタヤ(本名タツヤ、濱田岳扮演)とはいまも交流があるが、映画館に勤める恋人(宮崎あおい)とは、いつしか疎遠になってしまった。
そんなボクはある日、悪性脳腫瘍で余命幾ばくもないことを医者から告げられたが、その夜、ボクそっくりの悪魔が現われて、「1日にひとつ、世界から何かを消す代わりに、君の命を1日伸ばしてやる」と告げられる・・・というハナシ。
ゲーテが描くメフィストフェレスのハナシに似ているなぁ、というのが観る前の予感。
観ている最中は、「あれ、これはキャプラの『素晴らしき哉、人生!』の逆バージョンかしら」と思っていました。
まぁ、どちらにも似ている。
元来、この手の寓話は似ていても仕方がないので、そんなことはどうでもよろしい。
ようは語り口なんだけれど・・・
どうも、しっくりこない。
というのも、消されるもの(悪魔が選ぶんだけれど)が、ケータイ電話、映画、時計、そして猫と、端からボクにとっては重要な思い出に繋がるものばかり。
はじめから、重要なものを消しては、ハナシの底が浅くなってしまう。
「ま、これぐらいならいいか」的なものから消して、そんな軽く思っていたものが積もり積もっていくと、実は重要だった、てな語り口が定石だと思うんだけれど。
りゃんひさだったら、彼女との思い出に係わるケータイ電話が消えちゃった時点で「ごめん、もういいわ。そんなにつらい思いするなんて、オレ・・・」って思っちゃう。
ここで「ごめん」っていっちゃうと映画は1時間もしないうちに終わっちゃうんだけど、そうなるとロッド・サーリングの『ミステリー・ゾーン』になってしまう(ありゃ、前回『追憶の森』でもロッド・サーリングを思い出したぞ)。
というわけで、ちょっと底が浅いような気がして、感銘は薄し。
とはいえ、ロケーションがいい。
北海道の函館・小樽のくすんだようなモノトーン気味の街並みと、南米のカラフルな街並み。
それに世界の瀑布イグアスの滝の迫力。
ハナシはともかく、映像が心に沁みる。
ちなみに登場する「ミナト座」なる映画館は、函館十字街の「はこだて工芸舎」の建物を使用したもののようです。
感動的!
全273件中、261~273件目を表示