「世界から映画は消さないで」世界から猫が消えたなら 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
世界から映画は消さないで
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劇場公開時からいまいち話が分からなかったこの作品。
実際見てみて、ああ、こういう話だったのかぁ、と。
余命宣告を受けた青年“僕”の前に現れた、自分と同じ姿をした“悪魔”。
一日延命させる代わりに、“僕”の大切な何かをこの世界から消すと言う…。
このファンタスティックな設定はなかなかユニーク。
内向的な“僕”と意地悪な“悪魔”の一人二役、佐藤健の演じ分けも見事。
元恋人との思い出“電話”。
親友との思い出“映画”。
父の職業“時計”。
母との思い出“猫”。
大切な何かが消え、大切な人との思い出も消えていく…。
失って改めて気付く。
自分の死とどう向き合うか。
透明感ある映像も美しく、訴えるメッセージも普遍的で悪くはないんだけど…
自分に置き換えた場合として、登場人物に個人名ナシ。
が、登場人物たちが描写も台詞も、何かこう、フワッとした感じで、感情移入しづらい。
一つ一つ何かが消えていくが、例えば電話や時計が消えた世界で、この人たちどう生活してるんだろう??…とヘンな点ばかり気になってしまったり。
“悪魔”の正体は自分で、死を受けられない自分の中のもう一人の自分と対話してた訳で、実際は何も消えておらず、つまりは“僕”の単なる妄想…?
ずっと釈然としないというか、乗り気れず。
美しい映像と音楽が睡魔をも誘う。
でも、最後の最後で考えさせられた。
自分も「○○○○○」の言葉で人生を終わりたい。
それから、世界から映画は消さないでよ~!
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