「世界観に溢れてるすごくいい」世界から猫が消えたなら スパイダーマンさんの映画レビュー(感想・評価)
世界観に溢れてるすごくいい
原作を読まずに鑑賞しました、正直観る前はあまり期待していませんでした。
死を宣告された男の前に悪魔が現れ、世界から何かしらのものを1つ消す代わりに男の命を1日だけ永らえさせる。しかしものを消す度に、大切な人との関係までもが失われていく、、。
ファンタジーな要素が強かったという声がありますが、題名からしてこんなもんファンタジー以外のなにものでもないでしょう。そこにアリティを求めるならば良いと感じることは出来ないかもしれないです。
この映画は非常に多くのことを語りかけます。悪魔が主人公の前に現れることによって普段何でもない日常にあったもの、人間関係、そして命までもを失う、その辛さや儚さを感じさせられるのです。そして後半、主人公と彼女が旅をしているシーンがあるのですが、そこからは命、そして家族といったことをテーマにしているのでしょう。
前半は少し佐藤健の大げさな演技もあってか、コミカル調でシーンは流れていきます。そして旅をしているシーン、ここでは急にまるでドキュメンタリーのようなフィルムに切り替えられます。そのシーンが印象的でした。
ただ1つ言うとすれば、少し難解だという声がありましたが、回想シーンが交錯しすぎているということでしょうか、場面がどの時間軸での話なのか理解するのに少し時間がかかりました。
この映画の好きなところって、たぶん他のヒューマンドラマにありがちな心に染みるとかそういうのじゃなくて、軽いタッチで描かれていてなんだか浮遊感があるけれど実は重い内容を持っていて、っていうそんなところだと思います、監督さんの作風が好みなのかと思ったのですがあまり知らない方でした。
あと猫かわいいです、猫好きならぼーっと猫だけ見ててもたまらんでしょう。