風邪(ふうじゃ)のレビュー・感想・評価
全7件を表示
もう一回ちゃんと見たい!
映画をきちんと見ていなかったことを嘆いているわけではなく、
最後を知った上で、もう一度整理しながら見たい。と思った映画。
ポイントは、必要以上に役者が言葉で説明しないこと。
そのため、役者の表情や声色、展開していくシーンで、
観ているこちらが頭を回しながら見る映画になっていました。
観る人によって、感じ方も違うと思います。
正直、最初はわけがわからなく、
終わってしまうのもあっという間だったため、
「見終わった感」がなかったです。
それは今までの映画のように観終わったときの余韻が
喜怒哀楽の感情のどれにも振れることがなかったためです。
だからこそ、むしろ見終わった後の方が、
引き込まれていく感じがしました。
終わりが早く感じたのも、一方では記憶に残りやすく
丁度良かったとも感じます。
やはりもう一度見たいと思いました。
生々しかった
生々しかった。
個人的にはハッピーエンドの方が好きなのだが、
見る映画のエンドは余韻が残る作品が多い。
この作品を見て感じたことは妙なリアル。
個々人の思惑が入り組んで、複雑にまじりあう。
金欲、自己顕示欲、子供の命を思う母性、唯の研究対象。
必要以上には説明してくれないが、映像がストーリーをイメージさせる。
多くの人を巻き込みながら、物語は淡々と進んでいく。
自分の身の回りに本当は存在している別の世界。
自分の生活している時間空間をちょっとずらしたら存在していそうな世界。
私は十分に楽しめました。
観終わった後にいろいろめぐって、もう一度観たいな~
観終わった後からそれぞれの人たちの立場を考えてみたりしました。
人は正体がわからないもの、目に見えないものに恐怖を感じるとか言いますけど、目に見えないワクチンに翻弄されていく人たちの話だけれど、一番怖かったのは、それぞれの思惑というか、思いというか。お金に、名誉に、信じた道に、愛情という名の欲というか。
言葉が多すぎないくないからこそ、それぞれの役者さんたちの芝居がとても興味深くて、おもしろかったです。
後半の方での主人公の小西さん・窪塚さん2人の静・江本さんの動の対照的な感じとか、過去の明るさと現在の暗さとか。
そこから、想像力を掻き立てられながら、まだまだ理解しきれなかった部分があるんじゃないかと思ってきています。
どんな欲を持っているよりも母は強し、そして女性は怖しと・・・
レベル高し!
映画『AKIRA』などで脚本を務めてきた橋本監督の作品かつ、
窪塚洋介と小西真奈美が4年ぶり共演ときいて、早速見に行ってきた。
いろんな意味で期待を上回るオモシロい映画だった。
人類を救う特効薬”風邪ワクチン”を巡る医療サスペンスと
聞いていたが、人間がもつ欲を描いたヒューマンドラマ。
風邪ワクチンを巡って描かれる登場人物達の「金」「名声」「家族」
を求める執着心。
最初から最後まで先が読めず、そして結末はいろいろと考えさせられる
メッセージ性の高い映画。
窪塚君の言うことなしの圧巻の演技と、穏やかなイメージの小西さん
の迫真の演技。
そして脇を固める柄本さん、秋吉久美子の演技はこの秋見て損なし。
個人的にはそんな大物俳優の中、この映画で常に冷静な寺子田演じる和田哲史さんがとても気になる役者さん。
自分の追い求めるものの結末はどうなっていくのか。
そんなことを投げかけてもらえた映画でした。
日本映画じゃないような、THE 日本映画
すべての風邪ワクチンを撲滅できる、風邪(ふうじゃ)ワクチンをめぐって人々が煩労され、巻き込まれ、狂気に支配されていく姿を描いた作品。
それぞれの大切なものへの執着心が、時に狂気と化し、まさにウイルスとして周りに感染していく。
細胞が病に侵されるだけがウイルスではないと訴えているような作品でした。
最後はまるでフランス映画のような後味の悪さではあるが
それがまた終わった後も記憶に残り、もう一度見たいを思わせてくれる作品でした。
久々に満足度の高い作品!
200種類にもおよぶ風邪ウイルスの特効薬“風邪(ふうじゃ)ワクチン”を巡る利権争いと、それに巻き込まれていく一人の女性。。。
金、名声、家族…手に入れたいもの、守りたいものが異なる、それぞれの欲望と思惑が交差し、時に理性が崩れていく姿は、衝撃的である一方で、人間味があり考えさせられた。
最初から最後まで先が読めず、
特に後半は、息を飲む展開が続き目が離せなかった。
後味が悪いラストも、このスッキリしない部分こそが余韻を残し、
しばらく頭の中で考えを巡らせ、次第に作品に惹きつけられていく。
2度3度見たいと思わせる、久々に満足度の高い作品だった。
小西さんの迫真の演技が、、、。
子供を救うための愛情が、結果的にすべての悲劇につながっていく。
そんな母親役を演じる小西さんの迫真の演技は、
今まで見た映画の彼女の役柄とは、一味違う深みを感じさせる。
そんな作品であったと思う。
特にワクチンを持って雨の中逃げまどうシーン。
そして、刺した後の「幸せになろうよ」という一言。
作品中の名シーンであったと思う。
全7件を表示