セシウムと少女のレビュー・感想・評価
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超変化球
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なんとも不可解なタイトル、放射能に少女とくれば福島で被爆した哀れな少女の物語かと暗い憶測が頭をよぎる。それにしてはこの妙に明るいはじけたポスターは何なのだろう・・、もうこれは確かめるしかないでしょう。
確かに通して観れば福島原発事故をモチーフにした社会派ドラマなのだが一筋縄で収まるそん所そこらの硬派作品とは相容れない弾けた映画でした。
色鉛筆で描いた絵が写真よりリアルに見える作品があるが実写と漫画を織り交ぜてファンタジックなSF調でコミカルな阿佐ヶ谷歴史物語を描いたりしながら反戦、反核への憤りをぶちまけている。硬と軟、辛味と甘味、死と誕生、微笑みと怒り・・・、対極的な要素をコラージュすることでただ声高に主張を叫ぶより、問題の本質がより鮮明に見えてくる手品のような手法に呆気にとられてしまった。
脚本、監督、製作と才谷遼さんが八面六臂の活躍だがあえて孤軍奮闘したのは、全ての責任は我にありと批判覚悟の署名記事のような潔さを感じます。
少し褒めすぎたので嫌味を言えば、親父センス満載、銭湯で泡踊りは大衆迎合なのでしょうかね、エピソードに散りばめられた文化史、博学多才ぶりは感心するがよくいる業界人特有の臭いが時々鼻につくのが難点でしょうかね。
折角、七人もの神様たちを集めたのにただの飲んだくれ親父の集まりにしか見えないシーンが多過ぎましたね、「七人の侍」のようなスカウトする下り、個々の神業の凄さをもっと見せて欲しかった。あれだけ九官鳥探しで引っ張った割にただ戻ってくるのでは拍子抜け、観客をはぐらかしてドヤ顔しているようで監督、ひょっとしてお人が悪いですね。
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