「無意味な実験作品」劇場霊 shadow-81さんの映画レビュー(感想・評価)
無意味な実験作品
人形の動機が弱すぎ、恐怖が湧いてこない。
登場人物の行動が単純過ぎ、リアルさが無い。
例えば、何の確認もせずにいきなり人形作家の家に押しかけないだろ?
つまりまず脚本が駄目。
なぜこんなに知性がない作品なのかと思ったら、どうも目指したのは、見えない恐怖でなく見える恐怖という映像面の挑戦だけらしい。
確かに人形を使って手を変え品を変え、やりたい事は良く現れている。
しかし怖がるのは小学校三年生くらいまでだろう。
こちらも特に恐怖表現の方法論には興味がないので、無理やり付き合わされた感じで不愉快になる。
テーマ無し、メッセージ無し、目新しさ無し。
最後はグロさ、気持ち悪さの怖さでカバーした感じがセコい気がしたのでマイナス。
残念ながら後半は欠伸が出るほど退屈だった。
しかしラストで続編制作希望とは図々しい。
中田監督はホラー映画作家という枠に囚われている。
リングやクロユリ団地が素晴らしかったのは、テーマとして人間というもののどうしようもない哀しさが表現されていたから。
ホラーにしないと興行的に厳しいのかも知れないが、枠を超えることを期待。
実験作なので評価不要だと思うが、主役のひたむきさと、CGに頼らなかった点だけ、星1つ。
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