「これが戦争。」野火 viciousさんの映画レビュー(感想・評価)
これが戦争。
何と戦っているのかもわからない、どこに向かっているのかも分からない。
それでも生きて日本に帰るというそれだけを頼りに、密林を彷徨い、追い詰められ、最後の最後は自分の倫理感との戦い…
この映画をグロいとかストーリーが無いとか、そんな言葉だけで終わらせてはいけない。
たぶん、そう思わせるのが監督の意図したところなのでは?
戦争はグロいしストーリーなんか無いのだ。
生きるか死ぬか、それしか無いからそれだけなのだ。この映画はそれで良いと思う。
最近の戦争映画モノは、変に綺麗て変なメロドラマやお涙頂戴や戦闘賛美ばかりでもう沢山です。
グロくて汚くて醜くて酷くて目を背けたいものが戦争だと、この映画は教えてくれていると思います。
ロバート・キャパも、「自分は戦闘を撮るbattleフォトグラファーでは無い、戦争そのものを撮るwarフォトグラファーだ。」というような言葉を残していますが、それに通じるものがあるように感じました。
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