「戦後70年の野火」野火 Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
戦後70年の野火
組織がその体をなくす中、そこに属する者は人間性を如何に失い、如何に保つか?こういったテーマ性は十分感じさせるもので、残虐な表現やグロテスクな映像もそのためのものだから許容できる。ただ、過剰に思えたし、残念ながらメイクや小道具がどうも安っぽくて、逆にリアルさを減じる効果をもたらしていたように感じた。個人的には市川版の淡々と状況が悪くなり、異常な惨状にまで進展していった方が、現実がどのようにも転んでしまう怖さを感じたかもしれない。(しかもあの作品は戦後15年後の作品だったから)。この作品で特筆すべきは、最後の永松の狂気の表情。
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