「『永遠の0』なんて観てる場合じゃない!」野火 ヒートこけしさんの映画レビュー(感想・評価)
『永遠の0』なんて観てる場合じゃない!
凄い…戦争は各々に「忘れたくても思い出せない」何かを植えつけてしまうものであるということを凄惨に—つまり誠実に—描いた怪作。『永遠の0』みたいに「尊い犠牲の上に今の平和が成り立ってるんだよ。乳寄せまっせー!」とか言うてる場合じゃない。これこそ大作で製作されるべきだ!
「忘れたくても思い出せない」っていうのは日本語間違いじゃない。赤塚不二夫リスペクトや!
監督・脚本・編集・主演の塚本晋也は素晴らしい。でも『野火』という作品に対して「自主製作だからこそ出来た」なんて褒め方をせんといかんのが寂しい。だからこそしない!
正直プロダクションバリューが物足りない点はある。気合を入れたであろう見せ場のゴア描写はやり過ぎてギャグスレスレになってる感も。でもそんなことはどうでもいい。これこそ戦後70年の今だからこそ観ルベキ作品。本当に『永遠の0』とか観てる場合じゃない。だって百田尚樹だぜ?
尊い犠牲の上に成り立つ平和より戦争が無い平和の方がよっぽどいいだろうが!
なんて言うと左っぽいけど俺は右でも左でもないところに居たいと常々思ってます。どっちも危なっかしいんよほんまに
終戦70周年記念番組より『野火』を観よう!こんなに「意味」のある作品は滅多にない
コメントする