「私の戦闘力は無限大です」ドラゴンボールZ 復活の「F」 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
私の戦闘力は無限大です
前作「~神と神」で遂に神レベルの強さにまで達した「ドラゴンボール」新作の敵は誰かと思ったら、何とあのフリーザ!!
かつて、「私の戦闘力は53万です」の台詞で絶望させ、3段階の変身で圧倒的な強さを誇った宇宙の帝王がまさかの復活!
しかし、悟空やベジータの強さがインフレし、過去の映画で悟飯に一撃で倒されるなど強いザコキャラ代表となってしまったフリーザ様が今また、強敵となり得るのか。
フリーザ軍の残党が亡き主を蘇らせる為、ドラゴンボールを求めて地球へ。かくしてフリーザは生き返り、悟空らに復讐を誓う…。
「~神と神」はまるで“久し振りのドラゴンボールだよ!全員集合”的な同窓会みたいな感じだったが、今回はポンポンポンとテンポよく話が進んでいき、漫画を読んでいるよう。
バトル要素も大幅に増えた。
更なる進化=ゴールデンフリーザVS“スーパーサイヤ人ゴッドの力を持ったスーパーサイヤ人”となった悟空(←ややこしい!)のバトルが一番の見せ場だが、Z戦士VS1000人のフリーザ軍に童心ワクワク。
悟飯、ピッコロ、クリリンだけじゃなく、とっくに戦いから退いたと思われた天津飯や亀仙人までも戦いに! それぞれ必殺技を披露するシーンが設けられ、原作漫画やTVアニメを夢中で見ていたあの頃の興奮が呼び覚まされた。
(出来れば、今回戦いに不参加だった他のZ戦士も登場して欲しかった)
今回はバトルアクションと聞いていたが、鳥山明印のコメディも満載。
冒頭のフリーザの居る“地獄”は確かにフリーザにとって地獄(笑)
相も変わらずピラフ一味は出るし、クリリンの着信音は必聴。
知ってる人は知ってる鳥山明の新キャラも登場。
だけど何と言っても今回の主役&見所は、フリーザ様に尽きる!
ゴールデンは、カッコいい?ダサい?安直な発想?評価分かれるかもしれないが、個人的に、数いる「ドラゴンボール」のキャラの中で一番好きなのはフリーザなので、今回の強敵としての復活は素直に嬉しかった。
もっとよく言うと、変身前のフリーザが特に好きなので、その姿を拝めたのもポイントプラス。
フリーザは復活したのにパパは?…と誰もが思うが、パパにもちゃんと触れている。明らかになるフリーザ親子の関係!?
とは言え、いつも通りツッコミ所やご都合主義だらけ。
オイオイ、ドラゴンボールで生き返る事が出来るのって死後1年以内じゃなかったっけ??
蘇ったフリーザは復讐の為に特訓。って言うか、フリーザも努力するんだ…。
パワーアップしたフリーザは掟破りのもう一段階の変身!
そのゴールデンフリーザは確かに強い“設定”だ。しかし、かつてのような恐怖と絶望感は感じられず。(時間の都合上仕方ない?)
よって、復活したフリーザは果たして強くなったんだか、弱いんだか…。
悟空もベジータも一体何処まで強くなるんだか。(でも結局一番強いのはウイス?)
ラストはもう何でもあり。
…などなど挙げたらキリないけど、それが「ドラゴンボール」。
今回鳥山明が脚本を手掛けているので、ギリギリ許容範囲? それとも…?
(EDの某アイドルグループによる主題歌は興ざめ。まるで「けいおん」じゃん)
尚、復活の「F」の復讐がメインだが、その「F」への逆襲として美味しい所をさらっていく「B」に思わずニヤリとさせられるのを追記として。
映画はまた新作あるのかな?
ギャグタッチ、バトルアクションも悪くないが、次は望めるなら、初期のような痛快愉快な摩訶不思議アドベンチャーが見たい。