「漢節」レクイエム 最後の銃弾 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
漢節
題材的にも内容的にも特別目新しくは無い。が、
『男たちの挽歌』『インファナル・アフェア』などが好きならドンピシャの、香港ノワール・アクション!
幼馴染みであり、麻薬捜査官のマー、ソー、チャン。
彼らはタイの麻薬王ブッダの逮捕に命を懸け、遂に追い詰めたと思われたが、情報が漏洩し失敗、チャンが犠牲になってしまう…。
5年後、ブッダが絡む抗争が勃発。
左遷させられたマー、出世したソーの前に、死んだ筈のチャンがブッダの組織の一員として現れ…。
まさに香港ノワール・アクションのいいとこ取り!
展開はスリリング。犯罪捜査モノ、潜入捜査モノの醍醐味、面白味。
銃撃、カーチェイスなどアクションは幾度も見せ場を設け、特にヘリからの攻撃はド迫力!
苦悩。潜入捜査官のソーと、彼の身重の妻のドラマは悲痛。
あるシーンの究極の“選択”。生き残るより地獄。
裏切り、復讐。まさかの展開…。
それらも見応え充分だが、だけど本作はやはり、男3人のドラマ。
リーダーのマー、潜入捜査官として常に危険な渦中のソー、板挟みになりながらも間を取り繕うチャン。
3人はそれぞれの立場から何度も何度もぶつかり合う。
しかし一旦ぶつかり合うと…、男ってそういうもんだ。
だからこそ、友を失った時の悲しみ、まさかの再会の衝撃は計り知れない。
チャンが生きていた理由…。ちょっと突っ込まずにはいられない。
そこら辺の和解など、かなり強引。
ブッダとの決着。銃撃の嵐の中を、3人の思い出の歌に乗せて。
コテコテ、ベッタベタ。でもね、こんなにもどっぷり見せられると何も言えなくなるのよ。
何よりも濃い3人の友情。
熱い男気…いや、漢気。
男なら、この漢節に酔いしれろ!
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