木屋町DARUMAのレビュー・感想・評価
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はじまってすぐしんどい。借金で突き落とされた地獄。普通の生活の隣に...
はじまってすぐしんどい。借金で突き落とされた地獄。普通の生活の隣にあるかもしれない、えげつない世界。痛すぎて目をおおいたくなるようなシーンもある。この作品の8割は物凄い怖いヤクザのお話。そして怒涛のラスト。あまりにも映画的なラスト、といわれればそうかもしれない。けれど、かなり見応えがあった。
どんな状況でも生きぬく 義理と人情の物語
遠藤憲一さん、怪演でした。演じる勝浦の生き様、かっこよかったです。世の中で本当にあるのかもしれない一面を垣間見せてくれる作品でした。暴力が生み出してしまう行く先の因果応報を見せながら、どんな状況でも生きぬく、あきらめない、あきらめさせない、人から受けた恩を大切にする、大切なものは守る、義理と人情の物語でした。役者さんたちの気概を感じられました。三浦誠己さん、木下ほうかさん、寺田進さん、素晴らしかったです。武田梨奈さんは頑張りました。本作では物語にあって登場人物たちに多大な影響を与えていく重要な役どころでした。「マノン」の鳥丸せつこさん、「太秦ライムライト」の福本清三さんも出演されていて嬉しかったです。映画館に響き渡る遠藤憲一さんの声、いいなあ。
題材に負けてる
借金返さない人んちに、ヤクザが嫌がらせで手足のない人を置いてくのね。その手足のない人と、それを世話するヤクザの下っ端が主人公なのかな。
話は淡々と進んで、ヤクザのエグいしシノギの話も出てきて、観てて飽きないんだけど、なんか題材の強さに脚本が負けてる気がすんのね。このはなし描くんならdarumaじゃなくてもいいよなあって。
武田梨奈は「あの武田梨奈が!」っていう感じはすんだけど、無名の女優さんがあの演技してたら「演技派目指すんなら、もうちょっと頑張れ」って感じだったなあ。
でも冒頭で遠憲さんに詰め寄られてサッと引くところは「お、格闘家の動き」って感じで、出自は隠せんなあと思った。
烏賊墨スパのパスタ無しを2L飲む
題名は映画とは一切関係は無い。それ位重い重いテーマの作品である。
ヤクザ映画なんてものは正直怖くて観るのを避けてきたのだが、今回、遠藤憲一主演ということで、興味を持ち拝観。
只のヤクザ映画ではなく、四肢切断の江戸川乱歩に由るところの『芋虫』になったヤクザがそれでも生を諦めず取立屋となって、浪速金融道&闇金ウシジマ君よろしく、その異様な姿態で債務者を恐怖に陥れるのだが、その間に、ドン底に堕ちた債務者の家族、世話をするヤクザや兄弟分のドロドロの関係性が重層的にストーリーを紡いでいく。
その救われない内容に益々もって辛さと苦悩が伝染していくようで、下流社会の目を背けたくなるようなリアリティが訴えかけてくる。曰く『おまえの直ぐそこに転がってるんだよ』と・・・
なぜ『ダルマ』になってしまったのか、その真相究明も同時に進んでいき、借金に溺れた債務者のダメ人間(姉弟のグズグズな関係、聾唖な娘におんぶにだっこしている父親)ぶり、犠牲となる家族(借金のカタに底辺の風俗に売られる娘、聾唖者にマルチ商法を売り込む娘)、そして報復の連鎖等々、多少の救いがあっても結局は全て泡と化す人生の世知辛さに、ラストの救われないバッドエンドと相俟って、観覧後の精神の落ち込みに渋谷の街中を歩き回りながらクールダウンせざるを得なくなる、そんな苦しい映画である。しかしだから映画がダメだと言うことではない。昨今の生温い映画よりも何倍もリアリティを追求している映画であることは疑う余地もない。
これだけの精神を追い詰める映画はなかなか巡り会わないのではないだろうか、そんなことを考える自分は本当に優しく温い人間そのものである。同じダメ人間として、心痛いほど理解出来、そしてその死んだ方がマシな生き地獄を疑似体験させて貰える、そんな心を掻き毟られる内容である。
個人的には、娘役の武田梨奈の迫真の台詞と演技に女優魂の可能性を感じたのであった。
一度汚い歯車に巻き込まれたら簡単には抜け出せない
遠藤憲一以外に「DARUMA」をやれる人が思いつかない(そもそもこの役を受ける人がいるのか)。丁寧にCG処理されているようで違和感もないのでますます凄味が増す。
武田梨奈の関西弁の違和感のなさに驚き。あんなキツい状況下でよくもまあ上手に喋れるもんだと感心。途中の下手なメイク(目の下に隈がベタ過ぎる)が演技を削いでました、あれだけガッカリ。
アウトレイジ(ヤクザ映画)や龍三と七人の子分たち(弱者を食いものにする)は大々的に公開されるのに、この映画は公開までに何年もかかるっていうのは釈然としません。もっと沢山の劇場で公開されるといいのになぁ。
個人的には本気! シリーズ で好きだった石橋保と、これまたチョイ役ではあるものの存在感のあった烏丸せつこが見れて嬉しかったです。
背中をみるしかできない
元ヤクザ、いやいや現役でしょう。DARUMAであることすら武器にする恐ろしさ。寡黙でぶっきらぼうで、全てを受け入れ人を惹き付ける優しさと男気。
迫力満点、嫌な気分にさせてくれる漢の映画。
スプラッターではない精神的な痛さ、グロさ、気分の悪さを堪能したい方に是非。
日帰りで観ました。
試写会的なイベントで日帰りで観てきました。
普段はどんな映画を観ても同じや同じやと思って観ていますが、福祉の問題や借金問題は我が県のみならず、西宮の、日本中の問題じゃないですか。取り立て屋も会社から配布されている手引に従って行っているんでしょうが、違法であり不正ですよ。遠藤憲一さんも本当は手足あるのに手足がない役です。最初は本当に手足がない人と思って観てました。耳の不自由な人も本当に聴こえない人かと思って観てたら役者さんでした。
原作者は「映画業界を変えたい」その一心で一生懸命訴えて、縁もゆかりもない木屋町の話を書いたんだと思います。
私は原作を読んだのでだいたいストーリーもわかってましたが、読んでないあなたには分からないでしょうね。
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