俳優は俳優だのレビュー・感想・評価
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怖いマ・ドンソク
俳優とはうたかたの夢。売れない舞台俳優から一気にスターダムにのし上がり、頂点を極めたのもつかの間、スキャンダルによって一気に転落する。そんな有名人を象徴するかのようにオ・ヨンの栄光が走馬灯のように映し出される。
マネキン人形相手に演技をする序盤のシーン。単に舞台の役作りのためだと思って観ていたけど、劇中劇も含めて最後にそれが螺旋状に結合する面白さ。性格の悪さによってクズ男に成り下がってしまう俳優のストーリーなのだろうけど、一時の夢だと思えばそれもあり。
没落する原因が運命的なエージェントでもあったジョンホとの縁を切ったことと、勢いで色んな女に手を出し、ヤクザにまで関わってしまったこと。しかし、そのヤクザのマ・ドンソクですら最後には普通のオッサンになっていたし、後輩俳優にコケにされたりしたオ・ヨン。人は変わるもの。立場が逆転する面白さ以上に時空を超えた演技に魅了された。ギドク作品の『メビウス』という劇名も登場するし、いつかはメビウスの輪のように俳優の立場が逆転する輪廻までをも予感させてくれた。邦題もなかなか面白い。
芸能界、キムギドク、いかにもないかにもだ
冒頭のシーンが、イケメンなのにかなりイカれたオッパのキャラがキャッチーで期待したが、ひたすら不快不快な方向に。よく聞く韓国芸能界のスキャンダル、Kポップアイドルや芸能人、事務所の闇みたいなものや、もちろんキムギドクがどうなったかなどをずっと思いながらみることになり、ほんとにほぼ不快の連続。イケメンオッパがアイドルグループの人とは、で、ここまで悪い役をやるとは、これも韓国芸能界すごいってことか。
2014 年なので#metoo 運動前。でなきゃ無理か。
不快だし予想以上の展開ないし飽きてきたなという頃に、マドンソク先輩登場ですこしもち直すも、やはり同じ不快の連鎖が進むのみで最後までループループで終わった。
俳優は俳優ではないって感じしかない。
韓国の演劇、劇場の観客の雰囲気は日本と似ていてどんな演劇シーンがあるのか(大手商業ではない小劇場?)があるのか気になったし俳優の原点ということもあるのかな。かたや、映画館の観客は、日本ではあり得ないくらい、とても表情豊かに映画を見ていてそこがおもしろかった。
あとひとつ、韓国映画あるあるの、お母さん大好きキャラ。イケメンオッパも、しきりにお母さんに電話していたが、お母さん本当にいるのかな本当に電話かけてるのかな、その辺りがこのイカれたキャラのトラウマはじまりでは?とピエタを少し思い出し邪推した。、
俳優とはなんぞや
タイトルに惹かれて鑑賞。
俳優とはなんたるかを問い、その苦境と苦悩を描く。
…のかと思いきや、ストーリーは一般人が想像しうる俳優の栄光と没落に留まり、先々も容易に読めてしまう。
焦点は面白いものの、主役にはもともと才能があって自分勝手にやっているがそれを見出されるという、よくある話しで、栄光に至る努力、試行錯誤があまり描かれていない。
そのため、ただ流されている姿を見るに留まり、勿体無い。
ただ、芸能の世界には付きものであろうコネクションやその先の闇をピックアップしているところは面白い。それと乱れる女性関係。
没落よりも凡人からスターダムにのし上がる姿をもう少し詳細に描けば、もっと面白く思えたかもしれない。
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