「怖いマ・ドンソク」俳優は俳優だ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
怖いマ・ドンソク
クリックして本文を読む
俳優とはうたかたの夢。売れない舞台俳優から一気にスターダムにのし上がり、頂点を極めたのもつかの間、スキャンダルによって一気に転落する。そんな有名人を象徴するかのようにオ・ヨンの栄光が走馬灯のように映し出される。
マネキン人形相手に演技をする序盤のシーン。単に舞台の役作りのためだと思って観ていたけど、劇中劇も含めて最後にそれが螺旋状に結合する面白さ。性格の悪さによってクズ男に成り下がってしまう俳優のストーリーなのだろうけど、一時の夢だと思えばそれもあり。
没落する原因が運命的なエージェントでもあったジョンホとの縁を切ったことと、勢いで色んな女に手を出し、ヤクザにまで関わってしまったこと。しかし、そのヤクザのマ・ドンソクですら最後には普通のオッサンになっていたし、後輩俳優にコケにされたりしたオ・ヨン。人は変わるもの。立場が逆転する面白さ以上に時空を超えた演技に魅了された。ギドク作品の『メビウス』という劇名も登場するし、いつかはメビウスの輪のように俳優の立場が逆転する輪廻までをも予感させてくれた。邦題もなかなか面白い。
コメントする