「暗中模索教室。 紛れもないクソ映画…だけど可愛げはあるかな。」映画 暗殺教室 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
暗中模索教室。 紛れもないクソ映画…だけど可愛げはあるかな。
名門中学校の新任教師である謎の生物”殺せんせー”を暗殺しなければならなくなった、落ちこぼれの集まりである3年E組の生徒たちの奇妙な学園生活が描かれるSFアクション・コメディ。
主人公であるさえない中学生、潮田渚を演じるのはテレビドラマ『探偵学園Q』シリーズや『金田一少年の事件簿』シリーズの山田涼介。
月を破壊するほどの戦闘能力を持つ謎の生物、殺せんせーの声を演じるのは『硫黄島からの手紙』『GANTZ』シリーズの二宮和也。
3年E組の副担任を務める自衛官、烏間惟臣を演じるのは『アウトレイジ』『SPEC』シリーズの椎名桔平。
停学処分を受けていた不良学生、赤羽業を演じるのは『陽だまりの彼女』『そこのみにて光輝く』の菅田将暉。
3年E組の女子生徒、茅野カエデを演じるのは『まほろ駅前番外地』『劇場版 仮面ティーチャー』の山本舞香。
殺せんせー暗殺のため転校生という形式で3年E組に送り込まれた自立思考固定砲台、通称”律”を演じるのは『奇跡』の橋本環奈。
殺せんせーの過去に関わる謎の女性、雪村あぐりを演じるのは『君に届け』『名探偵コナン 11人目のストライカー』の桐谷美玲。
人気漫画家・松井優征による同名漫画を実写映画化。この原作は未読。
名門・椚ヶ丘中学校を舞台にして巻き起こる奇想天外なドタバタ学園コメディ………ん?中学校…?
ってことは3年E組のみんなはまだ14〜15歳ってこと…?
ど・こ・が・や・ね・ん・∑(゚Д゚)!!!!!!!
はい、とまあこのように成人を迎えた大人たちが中学生を演じるという、導入部からツイストが効きすぎている奇天烈な映画。
そう…。何を隠そうこの映画、紛れもない”クソ映画”なのであるっっ!!!
そもそもこの映画でやってることを暗殺と呼んでいいのか疑問なのですが、そんなことはどうでも良くなるくらいのクソ!
どこに出しても恥ずかしくない、とても立派なクソ映画。こんなに堂々としたクソはなかなかお目にかかれません!
このクソさにはむしろ清々しさすら覚えます✨
本作の一番の見どころは、名優・椎名桔平の目がだんだんと死んでいくところ。
どんな映画にも全力で挑むという高いプロ意識と「なんで俺こんなクソ映画に出演してるんだろう…」という疑問の狭間で揺れ動く椎名桔平の葛藤がスクリーン越しにもビンビン伝わってきます。
極め付けはスタッフロール。オフショット風の写真がそこで映し出されるのだが、生徒たちに囲まれた椎名桔平の絶妙な顔の死に方がたまらないっ!
この顔の死に方に、俳優という仕事の過酷さがギュッと詰まっています。素晴らしいっ👍
この映画、多分だーれも明確なビジョンを持てていない。一体どうすれば面白くなるのか、その正解を用意出来ていないまま制作が進んでいった感がある。
「ウチの山田涼介を主演で使いなさい。内容はなんでも良いから」という藤島ジュリー景子。
「暗殺教室とかいう人気漫画があんだろ?あれ実写化しようぜ。どうやれば良いのかは知らんけど」というプロデューサー。
「暗殺教室?こんなもん実写化出来るわけねーだろ。まぁ仕事だからやるけども」という監督。
「暗殺教室の実写化?こんなん2時間にまとまるわけねーだろ。まぁ仕事だからやるけども」という脚本家。
「なんだこの脚本…。クソつまんねえけど仕事だからやるしかねぇな」という役者陣。
「なんだこのクソ映画?まぁ山田涼介君が主演だから観るけども…」というジャニオタ。
この、観客を含む全員が暗中模索している感じ。漫画の実写化作品にはありがちな雰囲気である。
なぜこのようにジャニー一門しか得をしない映画が作られ続けるのか。それは偏に、上の無茶振りを受け入れるしかないトップダウン方式の製作体制が成り立ってしまっているからだろう。
映画をタレントを売り込むための道具としてしか見ていない連中が幅を利かせ、それに犬のように従う雇われ監督や脚本家が適当な仕事をする。
そしてそれに従ってクソを量産する役者や技術スタッフたち。この邦画界のクソスパイラルが存在する限り、意味のわからん実写化映画は今後も作られ続けていくことだろう。
夏合宿が終わったあたりで一度時間を確認。そろそろ終わりかな?と思っていたのだが、まだ45分程しか経っていないことを知り驚愕🫨
キツすぎる…。これはもうギブアップするしかないのか…。…と諦めかけたその時!
この映画に救世主が登場!!その男こそ名優・高嶋政伸っ!
一人だけ出る映画間違えてるんじゃないのかっていう程の迫真の演技。飴と鞭を使い分けることで生徒を洗脳する激ヤバ体罰教師を完璧に表現しております。
特に素晴らしいのが背中の芝居。顔は見えていないしセリフも発していないのに、ヘタレた生徒を覗き込むその背中だけで感情がビンビンに伝わってくる。演技の巧さってこういうことをいうのかっ💡
和製ジョーカーと呼びたくなる、高嶋政伸の演技の切れ味。作中色々起こったはずなんですが、覚えているのはほとんど高嶋政伸のことばかり。
彼の好演のおかげで、なんとかこの映画を完走することができました♪ありがとう高嶋政伸っ!!あんた最高の役者だよっ😭
どこをどう観てもクソ映画なのですが、こんな出鱈目な映画にも拘らず役者陣はかなり頑張っていました。
出演者はまだ若い役者ばかりなので演技に拙さを感じますが、それを補って余りあるフラッシュさとパッションがあり、その点はとても好印象✨
また、CGのクオリティが非常に高かった点もGOOD👌小道具や古びた校舎、墜落した衛星などの美術もレベルが高かったと思います。
こんなクソ映画にも拘らず、全力で自分たちの仕事に取り組んだCGクリエイターや美術スタッフの方々には敬意を示したいです!
とまぁ、途中で心が折れそうになりましたが、なんだかんだで可愛げがある映画だったように思います。
A級ハリウッド映画や名作邦画がどれだけ素晴らしいものなのかを再確認出来ますし、こういう目に見える地雷をあえて踏み抜くのもたまには良いかもしれませんね。
こんばんは~。
復活できたのかな?
良かったです。
この作品はクソと呼ばれていますが、満開の世界観は良くできていましたよ。
ただ、映画館で正規の値段で観る映画ではないかな