劇場公開日 2015年3月21日

「3年E組ー! 殺せんせー!」映画 暗殺教室 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.53年E組ー! 殺せんせー!

2015年9月26日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

アニメ化もされた同名人気コミックの実写映画化。
いつもながら原作未読、ほとんど知らない。

予告編などの第一印象は、馬鹿みたいな映画だなぁ、と。
タコ型宇宙生物が先生?
政府の要望でそれを暗殺しようとする落ちこぼれ生徒たち?
それに、主演はジャニーズ…。
劇場公開時から興味無く、TSUTAYAレンタルの4本パック料金に何でもいいから後一本程度で借りて、暇潰しに見てたら、これが思ってた以上に面白くてびっくり!

謎の超生物、付けられたあだ名は“殺せんせー”。
この“殺せんせー”のキャラがユニーク!
月の7割を破壊。
飛行速度はマッハ20。
おそらく知能指数も高い。
ある特殊素材でなければ殺せない。
再生可。
つまり、ほぼ無敵。
「ヌルフフフフ…」と不敵な笑いを浮かべ、私を殺してみなさいと挑発。
…だけど、見てると殺せんせー、結構いい先生なんだよなぁ(笑)
生徒たちを“くん”“さん”で呼び、敬語で話す低姿勢。
自らの暗殺指導と同時に、生徒たちの勉強のやる気や能力を上げる。
殺せんせーの言う“暗殺者”を“人間”などに置き換えると、なかなか胸に響く名言多し。
生徒誰一人も見捨てず、一人一人、真っ正面から向き合う。
人間の先生でこんな名教師居るか?…と、まんまと作品の魅力にハマってしまっていた。
また、殺せんせーの声を担当した二宮和也が巧くてこれまた驚き!
「硫黄島からの手紙」の好演や本作での声など、たまにその豊かな才能に驚かされる。年末の山田洋次の新作「母と暮せば」にも期待!
(二宮の声の出演は公開まで伏せられていたらしく、知らないで見たら八嶋智人と勘違いしただろうなぁ)

奇抜な設定でも、ちゃんと生徒たちの成長が描かれたスクール・ムービーとなっている点に好感。
学校から馬鹿にされたように見放された“ENDの”3年E組。
そんな落ちこぼれ生徒たちが殺せんせーの暗殺指導で、自分たちで考え、行動を起こすまで成長していく。
その過程で暗殺対象である先生へ芽生える信頼。
もう王道のスクール・ムービーだ。
生徒役がいまいち印象に残らないのが残念な事。
主演の“ジャニーズ”Hey!Say!JUMPの山田涼介も。
菅田将暉は最初はインパクトあったんだけど…。
橋本環奈ちゃんは生身で出してよ~!(笑)

原作既読者から見れば勿論展開も早いだろうし、カットされた部分も多い筈。
凄腕のセクシー女暗殺者“ビッチ”、人工知能ロボット“律”、殺せんせーの触手を移植された転校生“イトナ”などなど凄いんだか見かけ倒しなんだか、よく分からない。
フレンドリーと思った体育教師が非道(高嶋政伸が怪演!)。いつもながら、人間の思惑が一番黒い。

元々漫画なのでツッコミ所はいちいち挙げてたらキリないが、そんなのは割り切って気にしない事!
…けど、そもそも何で殺せんせーは3年E組の担任に?
どうやら、度々挿入される殺せんせーの過去が関係あるようで。
またレンタルになるとは思うが、続編がちょっと楽しみになってきた。
ヌルフフフフ…。

近大