「人生って捨てたもんじゃない」最高の人生のつくり方 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
人生って捨てたもんじゃない
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主演のマイケル・ダグラス70才、ダイアン・キートン68才。
老いらくの恋なんて気持ち悪い?そりゃーそうでしょう、若い人には無理にとは言いません。
ところが話の旨さと役者の好演、選曲の上手さ、監督のセンスで浄化されてしまいます。
リア(ダイアン・キートン)にかかったら自己中の鼻持ちならない偏屈親父オーレン(マイケル・ダグラス)が温かい心を取り戻してしまうのです。
先ずオープニング・タイトルバックに流れる「青春の光と影」で痺れます、劇中で歌うダイアンのジャージーな歌の上手さにも驚きました、流石、若かりし頃歌手志望だったことが頷けます。「恋愛適齢期」であの変人ジャック・ニコルソンを虜にしたダイアンですからマイケル・ダグラスなど朝飯前でしょう。脚本は「恋愛小説家」で不器用な中年の恋愛描写では定評のあるマーク・アンドラスですから偏屈親父の扱いも手馴れています、偏屈と言っても大体歳をとるとそんなもんでしょうし、笑いをまぶす茶目っ気の旨さで致命的な嫌悪感には至りません。
子供が出てくる映画は子役の外連味や可愛さに頼る演出が多いですが本作は大人の映画です。
脇役陣も素晴らしい、唯一のオーレンの理解者でもある不動産屋のオーナー、頼れるマダム、クレア(フランシス・スターンハーゲン)もいい味出していました。ロブ・ライナー監督もかつらを被ってピアノ弾きで好演、自虐ネタのようなセリフにも耐えていましたね。
好みは人それぞれですが私にはどストライク、いい具合に力が抜けていて本、役者、音楽のバランスが心地よい希少な映画、邦題の「最高の人生のつくり方」は力み過ぎでしょう、「人生って捨てたもんじゃない」位がちょうどいい感じに思えました。
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