「【性に憑りつかれた一人の女性の半生を描いた作品。この作品の脚本を書いたラース・フォン・トリアー監督と、若きジョーを演じたステイシー・マーティンには敬服する作品である。】」ニンフォマニアック Vol.1 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【性に憑りつかれた一人の女性の半生を描いた作品。この作品の脚本を書いたラース・フォン・トリアー監督と、若きジョーを演じたステイシー・マーティンには敬服する作品である。】
ー ご存じの通り、人間の三大欲は食欲、睡眠欲、性欲である。今作は性欲に目覚めた女性の半生を描いたエロティックな作品である。
テーマ性は、”性欲”であるが、それに付随してフィボナッチ数列や、縦列駐車のシーンなどを巧みに取り入れた作品構成は、観ていて飽きない作品である。
勿論、ステイシー・マーティンの良くここまで演じたな、と言う女優根性も含めてである。
物語は或る夜に血だらけで倒れていたジョー(シャルロット・ゲンズブール)を初老の男セリグマン(ステラン・スカルスガルド)のベッドに寝かせ、彼がジョーの半生を聴くスタイルで進む。
Ⅰ「釣魚大全」
ジョー(ステイシー・マーティン)が友人と、列車の中で何人の男とセックスするかをチョコレートキャンディを掛けて行う姿が映し出される。
どこか、ユーモラスでもある。最も、セックスとは男女のユーモア要素もあると私は思っているので、問題はない。
Ⅱ「ジェローム」
ジョーが二つの処女を捧げたジェローム(シャイア・ラブーフ)との再会と別れを描く。彼女はジェロームに興味がないふりをするが、逆に彼に手酷く振られるのである。
Ⅲ「H夫人」
ジョーの遊び相手のH氏の婦人(ユマ・サーマン)が、3人の幼い息子を連れて彼女の部屋に乗り込んでくる様を描く。男としては怖くもあり、何処か滑稽でもある。ユマ・サーマンの切れっぷりが見事である。
Ⅳ「せん妄」
ジョーが、末期の病に罹った父の病室で、椅子に座りながらも、暇を見ては様々な男とセックスする様が描かれる。性と死は隣同士なのである。
Ⅴ「リトル・オルガン・スクール」
ジョーが、一日に何人もの男とセックスをする様を、彼女が散歩をする姿と絡めて描く。特に絞ってF・G・そしてジェロームとのセックスが描かれる。
<とまあ、これだけ書くと何の面白みも無いように思えるが、これが魅入られるのである。特に彼女の性遍歴を聴くジョーとセリグマンとの会話が秀逸である。
Vol2も近々観ようと思う。>