さまよう刃のレビュー・感想・評価
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法律を守るしかない・・・
未成年犯罪を憎むオックァン。罪を憎んで人を憎まずなんて精神はない。暴走し続ける少年たちそのものが憎いのだ。サンヒョンが一人の少年を殺したことから、彼を追跡することになったオックァン。さらに塾を装って家出少女たちに風俗させていた男も殺される。そして、主犯でもある少年ドゥシクを追い求めるサンヒョンだった。
一方、最初に殺された少年の親が警察に訴えてくる。「息子が何をしたというんです」「犯人を必ず捕まえてください!」。親バカぶりを発揮して、息子がレイプ魔だったというのに、その反省の色は全くない。「レイプの末、女の子を殺してしまったんだよ」と言えばどうなったのだろう?呆れて席を立ち去ったオックァンの姿をみると、結果は同じだったのかもしれない。
街中でライフルを構えたサンヒョンがドゥシクを追い詰めた緊迫の瞬間。結局、弾は入ってなかったが、警官たちによって射殺されたサンヒョン。虚しく唇を震わせる姿が悲しい。警察には何ができるのか、法律を守るしかないやるせなさも伝わってくる。最後にドゥシクに関するメールを送ったということで、やはり幇助の意志は感じられるが、犯罪者が更生して世に出てからも見守らなければならないことも辛い。少年法に限らず、警察が被害者家族へ何もできないことも辛いと訴えてくる・・・
娘を持つ父親
犯人役がハマってる
悲惨な殺人事件と、その被害者家族を見るたびに
自分なら加害者を殺したいと思うだろうと想像する。
この映画は
娘がレイプされた挙句薬を飲まされて死んだ事件で
父親が加害者を殺す為に追い詰めていく話
雪山に向かうまではテンポよく良かったが
そのあと見つけられずさまよう姿が
長くダレて感じた。
加害者の親でさえも
自分は被害者だ、可哀想な息子!!
と泣き叫び、韓国特有の罪を認めない国民性をみて苦笑
ラストは何故、弾をぬいて自ら撃たれたのかイマイチわからなかった。
あの犯人は絶対反省しないよ。
怒りの涙腺崩壊
サンヒョンに禿同しながら観てました。
そら娘をいたぶられ殺されたら復讐の鬼になるって。
ただ内容はサンヒョンを肯定している訳ではなく、
サンヒョンという被害者の親が加害者になり、
加害者の少年の親は、私は被害者だと泣き叫び、
逃げる少年は、
自首すれば少年法で刑期は長くないから最悪は自首で、
と狡猾極まりないし、
共犯少年は、主犯格が殺されれば自分はたすかると、
サンヒョンに匿名で情報を流す、
警察内でも、サンヒョンを支持するもの、
大人が子供を殺す事は許されないと説くもの、
とまあ何が正義で何を救えば良いのか、
韓国に限った話ではなく、
現代社会の盲点を浮き上がらせる問題作。
でもやっぱりサンヒョンに感情移入してしまう。
主犯格の家で、娘が殺される映像を見てしまうところとか、
ラストのもう一人の主犯格に叫ぶ台詞、
「こんな奴と同じ世界に生きていたくない!」
もうね、怒りで涙腺破壊されました。
韓国映画は多いね。怒りの涙腺破壊。
最後は多少救いがあって良かった。
あの刑事も、自分にも闇を抱えていて、
彼もサンヒョンに禿同している部分と、
警察としての正しさの間で揺れていたが、
今回に事件の落とし所と、彼の闇の解決策を共有して、
ラストまとめたのは良かったと思う。
テンポは良いが退屈。
誰が無念を晴らすのか
最愛の娘が殺された。
犯人の未成年者たちは少年法に守られ、重い罪には問われない。
父親は自らの手で復讐する…。
日本でも映画化された事のある東野圭吾のベストセラー小説を、韓国で映画化。
日本版は寺尾聰の熱演は光ったものの、ほとんど印象に残ってない。
日本映画らしくお堅くて湿っぽく、傑作にすらなり得る題材なのに、残念という感じだった。
さて、さすがはシリアス/ハードなサスペンスの国・韓国、日本版とは違うズシンとくるサスペンス・ドラマに仕上がっている。
大まかなストーリーはほぼ同じだが、大きく違うのは、父親の描かれ方。
日本版の寺尾父はグッと怒り悲しみを堪えていたが、その国の人間性の違いもあるにせよ、韓国版の父親は怒り悲しみを露にする。鬼気迫り、狂気さえ滲み出ていた。演者の熱演も言うまでもなく。
少年犯罪を機に波紋が広がり見えてくる、縦社会の警察内部、法の限界、社会の闇…。
やはりこれらの胸糞悪さは韓国サスペンスだからこそさらに。
欲を言えば、せっかく柄の悪い韓国人なのだから、一切反省の色が無い犯人たち、そのクソ親たちが「うちの子が犯罪者ですって!? 冗談じゃない! あんたの娘がたぶらかしたのよ!」なんてシーンもあれば尚良かった。(そういや、そんな韓国サスペンスもあったっけな)
より重々しくなったからこそ、やりきれなさや考えもさせられる。
娘を殺した犯人たちは一切同情の余地ナシの人間のクズでカスだ。死んで当然だ。
でも、そこで本当に殺してしまったら状況が異なる。
殺された犯人の親たちの悲痛な叫びも分からんでもない。
警察も父親に同情しつつ、追わなければならない。
被害者側が加害者となり、加害者側が被害者となる不条理。
法は法だ。仕方ない。
ならば、父親の無念は誰が晴らすのか。
「ご免なさい」「赦して下さい」「罪を償わせる」「更正させる」…そんな美辞麗句で怒りも悲しみも帳消しになるものか。
それでも妥協しなければいけない不条理な社会と法。
誰かが犠牲になる事によって。
堪えるしかない…のか?
日本版とは違う独特さがある
寺尾聡主演の「さまよう刃」を韓国でリメイクされたので鑑賞してみました。
やはり比較してしまいそうになりますが…韓国版は韓国版で切なすぎる雰囲気と暴力・犯罪の描写は独特で日本版とは少し異なる印象を受けました。
日本版は粛々と。韓国版は鬼気迫る。主人公の父親の姿と行動から、そう違いを感じました。
どちらが良い悪いは私的に無かった。どちらも共通する切なさ・やるせなさが出ている。そういった意味では韓国版は上手くリメイクしてるし作品のテーマを損なっておらず、よくできた作品だと思う。
韓国でも未成年による犯罪は凶悪化しているのだろう。刑事のセリフにはリアリティさも感じとれた。
少年犯罪、少年法について今一度考えさせられた作品でもありました。
ミニレビュー
ドロドロさは薄め。
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