「【”私だって、巴里に出て非日常的な素敵な生活を過ごしたいわ。”マサカノ、イザベル・ユペール、主演のラヴ・コメディ。軽やかなテンポのストーリー展開と、鮮やかな夫婦愛溢れるラストも素敵な作品。】」間奏曲はパリで NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”私だって、巴里に出て非日常的な素敵な生活を過ごしたいわ。”マサカノ、イザベル・ユペール、主演のラヴ・コメディ。軽やかなテンポのストーリー展開と、鮮やかな夫婦愛溢れるラストも素敵な作品。】
■フランスの田舎町で牛農場を営むブリジット(イザベル・ユペール)とグザヴィエ(ジャン=ピエール・ダルッサン:同じく名優である。グザヴィエ・ドランじゃないよ!)は、穏やかで幸せながらも平凡な毎日を過ごしていた。
ある日パーティーで出会った魅力的な男性スタン(ピオ・マルマイ)に心を奪われたブリジットは、密かにパリ行きの手配を進め、自身の皮膚の診察と夫には偽り、彼との再会を目的にした一人旅に出かける。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ご存じの通り、イザベル・ユペールは現代フランスを代表する大女優である。
近年では、ポール・バーホーベン御大の変態性溢れる作品に主演したり、(だが、作品のレベルは高い。)、同じく名匠であるミヒャエル・ハネケ監督の諸作品に出演し、その存在感を強烈に放っている。
・今作で、彼女が演じたブリジットは牛農場を営むグザヴィエと相思相愛の間柄で、平凡だが確かなる生活を送っている。
ー 二人が、仲良くダブルベッドで寝る姿。ブリジッドの胸に出来ている痣を気遣う夫。-
・だが、ある日、臨家にパーティーに来た若者達の中のスタンに”何となく”気を惹かれた彼女は巴里に夫には痣の治療のためと言い、2泊3日の旅に出る。
ー グザビィエは、彼女が治療に行った筈の医院が、既に閉めていると知り、そわそわし始める。-
■ブリジッドは、スタンと出会い、更に同じホテルに泊まっていた歯科医ジェスパー(ミカエル・ニクヴィスト:同じく名優。早逝が惜しまれる。)と、観覧車に乗ったり、束の間の逢瀬を楽しむのである。
だが、彼女は決して一線は越えないのである。
・グザビィエは妻の浮気を知るために巴里に行く。
ー だが、彼も又、気にしていたトランポリン演者になると言っていてやや行き違いのあった息子の稽古場に行って息子の演じる姿を見て安心したかのように帰る姿なども、沁みる。-
<そして、ブリジッドが家に帰って来た時に、グザビィエは歯科医ジェスパーが言っていた、”死海に浸かると良いらしいよ。”と言う言葉を聞いていて、ブリジッドに細かい事は言わずに”たまには、旅行に行かないかい?”と言って死海行きの飛行機チケットを渡すのである。
ラストシーン、二人で死海に浮かぶ姿。最初は頭を併せた形で、けれど最後は二人で抱き合うように浮かぶ姿もとても良い。
今作は、派手さは無いがイザベル・ユペール始め、ジャン=ピエール・ダルッサンや故、ミカエル・ニクヴィストの確かなる演技が醸し出す雰囲気が素敵な作品である。
二人が、旅行に行く際に、ブリジッドが巴里の路上で買い物をしている時に無許可故に摘発されそうになったインド人の若者を雇い入れているシーンなども、ジワリと沁みる作品でもある。>
日々忙しさに追われていると、ふと別世界に行ってみたくなること、ありますよね。
旅行でも、山でも、リフレッシュのために出かけるのは大切なことかもしれません。
ご無理がありませんように。
で、まったく別の話なんですが、フランス名の「グザヴィエ」って、スペイン語表記だとXavier=ザビエルなんですよ。
グザヴィエ・ドランはザビエル・ドラン。
最近スペルを見ていて発見しました。
ではまた。