「いい夫婦、いい映画ではあるけど…」間奏曲はパリで 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
いい夫婦、いい映画ではあるけど…
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ノルマンディーの田舎で農業を営む夫婦。
決して不満がある訳ではないが、妻ブリジットは無関心な夫と倦怠感に何かを求めていた。
ある日パリからやって来た青年と知り合い、夫に内緒でパリへ旅行へ。
平凡な日常から離れ、束の間の満ち足りたひと時。
年下の青年、パリで出会った紳士的な初老の男性とのアバンチュール。
端から見れば自分勝手な不倫映画であるが、そこはフランス映画。ユーモアとおシャレのロマンチック・ストーリーに仕立てあげている。
イザベル・ユペールがその魅力のほとんどで言ってもいい。
『ピアニスト』や『エル/ELLE』などでシリアスやインパクトあるイザベル・ユペールだが、今作はとてもチャーミングだった。
ブリジットは夫に嫌気が差した訳ではない。夫婦仲は良好。でも、もうちょっと自分に関心を持って欲しい。
ある時夫は妻が自分に内緒でパリに行った事を知り、こっそり後を追う。
そこで見たものは…、初老の紳士と楽しげにデートする妻の姿。
この時の夫の姿は侘しい。
オチは大体予想出来る。
ブリジットはひと時の旅行を経て、自分の人生や夫への愛を見つめ直す。
夫もまた然り。妻への愛に応えられなかった自分にも否がある。
いい夫婦、いい映画。
何かと不倫が問題になる現実世界では理想的で都合良すぎる話かもしれないが…。
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