劇場公開日 2014年12月20日

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「いい映画、ただ、日本の売り方が間違いな気がする」ベイマックス 太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0いい映画、ただ、日本の売り方が間違いな気がする

2015年7月22日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

マーベルコミックスが原作のアニメーション映画。ただ、原作とはまったくの別物である(らしい)。特にベイマックスは、原作のゴツゴツガシガシボディに対し、今作ではぽよんぽよんのぷにぷにである。

しかし、ただ原作を改変して、無駄に推している部分以外がとてつもなくしょうもない作品を作る近年のディズニー映画とは全く違い、とても良い映画だった。
ストーリーはベイマックスが主人公のヒロのケアロボットになり、それをきっかけにヒロは心を開き………がメインではなく、ビッグ・ヒーロー・シックスのオリジンがメインである。つまり、いつもは良い所を推しているディズニーが、なんとわりとどうでもいい所を推しているという、珍しいパターンになっていた。
と言っても、実は原題はビッグ・ヒーロー・シックス。名前の通り、アメリカではヒーローチームの映画だ。
対して邦題はベイマックス。なんと、日本はなぜかヒーローチームよりもほとんどサイドストーリーのベイマックスとヒロの絆の映画として売ったことになる。
これが大きな間違いで、興収は高かったものの、僕個人としてのディズニーに対する不信感はかなり低くなっている。
これは作品そのものの話ではなく、ディズニーそのものの話になるが、いくら良い映画を作っていても、毎度ディズニーは金儲けのために客を騙す。これだけは本当にやめてほしい。

しかし、ビッグ・ヒーロー・シックスとして観る分にはかなり良い作品で、コミカルで明るい90年代のディズニーに近い(現にヴィランがムーランの悪役と似た類だったりする)。
また、キャラクターの個性がかなり豊かで、結構詰め込みすぎて説明不足な点は多いが、ディズニーらしさは久しぶりに強く感じた。特にハニーレモンとフレッドは個人的にそのディズニーらしさが強く感じた。ハニーレモンはただ単に無駄な明るさが良かった頃のディズニーのヒロインっぽくて楽しめたという理由だ。フレッドは、最近では単なるバカが多いディズニー映画の中で、珍しく頼れるバカのポジションに立っていたことがとても楽しく、「あー、ディズニーだなぁー」と思えた。

正直、ベイマックスよりも他のメンバーのほうが評価できる点が多い。例えば、ヴィランはちゃんとマーベルらしい悲劇のヴィランになっているので、完全にディズニーの金儲けがメインに作られているわけではないということ。また、「僕達の戦いはこれからだ!」感の良さだ。
ベイマックスとして観ると全然楽しくないが、ヒーローモノとしてはかなり好みな作品だった。
うーん……泣けるのかなぁ………。

太郎