「前半がピーク」ベイマックス kuさんの映画レビュー(感想・評価)
前半がピーク
ここでもたくさんの方が書いていらっしゃいますが、AIのStoryや鉄拳の漫画のプロモーションで、予告を信用して見てしまうと別の物を見たような気分になると思います。
そういう風に宣伝したほうがお客が入ると日本のプロモーションがふんだのでしょうね。海外のトレイラーなんか見てると「ヒーローもの」感があって、まるで違う印象を受けます。
前半はとても面白そうでわくわく。テンポがよく、サンフランソウキョウという、アメリカと日本を融合したような、近未来を感じさせる物語の舞台、グラフィック、美しくて見入ってしまいました。
しかし中盤からいけいけどんどんな感じがしてきて・・
見ていて退屈しない映像で、スピード感は増しているのですが、何かぐっとこない・・。
ベイマックスは兄があんなに苦労して作ったはずなのに、兄の苦労よりも、弟のぱぱっと付け足した改良点の方が全面に押し出される。別にいいのですが、なんというか、本来のベイマックスもうちょっと知りたかったという感じ。
ベイマックス、ヒロが中盤からヒーローに変化していくのはまだしも、大学生達があんなにいとも簡単にスーパーマンになったのは違和感しかない。兄のタダシよりも大学生達の方が、登場人物たちの中で優遇されているような気がしてしまった。それに個々が立ちすぎていて、ちょっとお腹いっぱい。
悪役の存在感が薄い。最後の装置も、装置の中でおこることも、ちょっとしつこく感じた。わかりきった展開で、安心するパターンもあるが、本作はわかりきった展開に少ししつこさすら感じてしまった。
前半の丁寧な物語の展開が、中盤、後半になるにつれてどんどん雑になってしまったような印象でした。アクション、映像は素敵です。
と小さなところが気になって仕方なかった私は、観終わってからももやもやしてしまいましたが、何も考えなければそれなりに目には嬉しい作品だと思います。