「映画人生で最高のアニメ映画」ベイマックス 花梨さんの映画レビュー(感想・評価)
映画人生で最高のアニメ映画
劇場で初めて観たあの日、これほど素晴らしいアニメ映画は他にないと思いました。それはいつまでも変わらない思いです。
ロボット工学の天才ヒロハマダが、兄の死の真相をあばくため仲間たちと共にヒーローとなり街に潜む悪に立ち向かうと同時に兄の死を乗り越える展開が大きなストーリーとなっています。
前評価が低かったのは、当時の日本版の偏ったイメージの映画宣伝に反して期待ハズレだった観客が多かったからだと思われます。
かくいう私も実際に初めて見た時は、冒頭のシーンから自分の想像と120%違った展開で(いい意味で)度肝を抜かれました。
冒頭からヒロがこんなにヤンチャなティーンエイジのキャラクターだとは微塵も思ってなかったのです。
自分は今ディズニー映画を見ているのかさえ疑いました。最高にクールじゃないか!と…。
それに何と言っても本編ではタダシがまだ生きていた事に驚きました。
そのタダシが生きていた間のシーンのなんと楽しかったことか!
自分の為だけに才能を使い何となく過ごしてきたヒロが初めて夢を見つけて家族と兄の友人達に支えられながら頑張る姿に、私はこれから兄が死ぬ展開すら忘れていたのです。
そうして観客にとっても突然訪れたでたろう兄の死に、ヒロと同じ様に私は本当に身近な家族を亡くしたような深い悲しみと虚無感に包まれました。
…この映画はヒロ自身が天才的な科学少年である事からも、人生で誰もが経験する死者に対する現実の切なさや葛藤が本当に繊細に描かれています。
色んなシーンで涙が出るのですが、見終わった後とてもあたたかい気持ちで劇場を後にした事を今でもよく覚えています
当時私は金欠学生で一度きりしか見られなかったのもあるせいか、思い出補正もあり劇場で観たあの時間を、いつも夢のように思い出します…。