劇場公開日 2015年6月27日

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「荒れ野を野生馬が駆け、アールヌーボのインテリアに包まれ、シューベルトが奏でられ、パソコンのキーが鳴る。」雪の轍 kthykさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0荒れ野を野生馬が駆け、アールヌーボのインテリアに包まれ、シューベルトが奏でられ、パソコンのキーが鳴る。

2015年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

カッパドキアという異形の居住空間、窓から差し込む柔らかな光、、あるいは雪が舞う風景、人間の世界はつくづく美しいと思う。そして、その世界はどこまでも悲しい。ひと独りは人を求め、人と抗い、人と和し、そしてまた独り生きる。
トルコのアナトリアは6000年の人間の住処。映画はしかし、決して大仰に歴史を政治を語るわけではない。荒れ野を野生馬が駆け、アールヌーボのインテリアに包まれ、シューベルトが奏でられ、パソコンのキーが鳴る。
ルイ・デリ・ジェイラン監督は映画賞連続受賞だ。アテネ・フランセで彼の全作品を上映する映画祭があるという、是非見てみたい。

kthyk