劇場公開日 2014年8月29日

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「あなたの脳、何%使ってますか?」LUCY ルーシー ユキト@アマミヤさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0あなたの脳、何%使ってますか?

2014年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

スカーレット・ヨハンソンとモーガン・フリーマン、夢の顔合わせ。しかも監督はリュック・ベッソン!
どんな刺激的な映画になるのか? いやが上にも期待は高まりますね。
鑑賞してみて、損はありませんでした。
期待通り、いや、期待以上の出来映えと言っていいんじゃないですかね。欲を言えば、スカーレットと、名優モーガン・フリーマンの絡みをもっと見せてほしかったかなぁ~。
映画のテンポがいいですねぇ~。丁寧に、丁寧に、じっくり作り込んでおいて、だけど、いらない部分はバッサリ捨てる。
その潔さ。
必要最小限の、凝縮された無駄のないシーンだけで、映画は構成されてます。これが監督の腕なんですよね。
やっぱり分かってるなぁ~、リュック・ベッソン監督。
スカーレット演じる主人公ルーシー、知り合ったばかりの男性からアタッシュケースを渡されます。
「このホテルに泊まってる男にカバンを渡すだけだ。それだけでいいんだ」
何となく怪しい雰囲気。
彼女はそれを拒もうとします。しかし、いきなり手錠をガチャリ!
彼女とアタッシュケースは鎖で繋がれます。
この瞬間から彼女の運命は大きく動きます。
アタッシュケースの中身を巡って、韓国系マフィアの男達が動く。ルーシーの運命は、そのアタッシュケースの中身と、このアブナイ男達によって急展開を見せるのです。
映画が始まって、彼女が予想もしなかった運命に陥る、この一連の展開。なんと、たったの数分です。
そのストーリー展開の速さ。
まるで鋭利な刃物で切り取っているかのようなカット割り。
もう、キレキレです。
息もつかせぬ、と言うのはまさにこの事。
僕が凄いと思うのは、リュック・ベッソン監督、このカット割りで、あまりキャメラを動かしていないと言う事です。
本作でも、もちろんVFXは使われていますが、安っぽいハリウッドのアクション映画にありがちな、コンマ何秒かでバンバン、大スクリーンの絵が切り替わる、そしてキャメラもギュンギュン動き回る。
本作ではそんなアホな事、ほとんどやってないのです。
それでも絵を撮る監督さんの腕次第で、こんなにも迫力とスピード感が出るんですね。
さて、ルーシーはある薬を身体に取り入れる事になってしまいます。
それは人間の脳を極度に活性化させる作用がある。
「本来人間は、脳の10%しか活用していません」と大教室で学生達を前に授業をする大学教授。これがモーガン・フリーマン氏です。今回の役柄も似合ってますなぁ~。
ルーシーの脳は、薬の効き目と共に、どんどん未知の領域まで活性化して行きます。そこで彼女は脳科学の世界的権威の大学教授に接触を試みます。いま自分の身体、脳に起きている事をどうしても伝えたいと。
ルーシーの脳が活性化してゆくにつれ、彼女は人間を超えた「スーパーウーマン」になってゆくんですね。この辺りの描写は面白いですよ。
本作は、一応PG12指定になってます。暴力シーン、残虐シーンありですが、それは決してしつこい感じはありませんでした。
むしろ「ああ、リュック・ベッソン監督には、イメージがこんな風に見えているんだ」と感嘆する映像が印象的でしたね。リュック・ベッソン監督、一体あなたの脳は、何パーセント活性化してるんですか?

ユキト@アマミヤ