「僻地ならではの悪役たち」マルティニークからの祈り クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
僻地ならではの悪役たち
毎度お馴染みチョンドヨン、もう韓国のトップ女優でしょう。
年齢の割には若く見える容姿(戸田恵梨香に似てる)と、経年劣化をとことん演じ切る(痩せたり、老け込んだり)その演技力は、他はあまり知りませんがこの人ならどんな役でも出来そうな気がする。日本でいえば、年も近いので宮沢りえみたいな存在、いやそれ以上かもしれません。
旦那役がコス(マイルドなもこみち)という美男美女カップルなので全く感情移入は出来ませんが、甲斐性無しの旦那には身に覚えもあるのでちょっと心が痛むなあ。流石に借金の保証人にはなってませんが。
しかし韓国映画は、事ほど左様に悪役演出が上手いというか過剰というか、観てる側を熱くイライラさせてくれるものが多いです。今回もご多分に漏れず、駐仏韓国大使館の役人の酷さは極まりない。ここまで行政を馬鹿にしている内容は、日本では警察(踊る大捜査線とか?)はあっても無い気がする。韓国社会に通底している政治不信は日本のそれより酷いかもしれない。
プラス、フランスの看守も、カリブ海のフランス領という所謂僻地だからやさぐれてるのかもしれませんが、だいぶ腐ってる。麻薬犯罪者ばかりを収監している刑務所、とだけ聞けば、そこでの任務を受ける者の立場を考えると、相当なバイタリティが必要だし、やっぱり本国勤務の方が良いよね。
韓国大使館も初めはジョンヨンたちの味方だと思ってたけど、こちらも本国から遠く離れているから勝手なルールが敷かれて、割と好き放題に働いてる感は否めない。毎日ミシュランガイドばっかり見てるんだろうか。
何だかんだ言いながら、ラストはスッキリすると思います。(韓国映画には珍しく)
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