「自分を貫くことの難しさ。オカマだからこそ知っている、本当の痛み。」小川町セレナーデ 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
自分を貫くことの難しさ。オカマだからこそ知っている、本当の痛み。
【賛否両論チェック】
賛:生きるために必死に働く母と、人生に挫折した娘、そしてオカマ故に辛い半生を歩んできた父。三者三様の生き方が紡ぎ出す人間模様に、心温められる。余計な描写がほとんどないのも嬉しい。
否:序盤はやや駆け足で、観ていて少し退屈かも。後半は徐々に盛り上がっていくので、期待して前半を乗り切りたい。
〝オカマ”という社会的に弱い立場の人間の葛藤と、生きるためにそのフリをしようとする母娘達。そして期せずして再会した実の父と娘。テーマ自体はこれでもかというくらい重いはずなんですが、本作の温かい雰囲気が、そのテーマを優しく包み込んで、彩ってくれます。そして不器用ながらも一生懸命に生きようとする主人公達の姿に、胸を打たれること請け合いです。
「生まれてこない方が良かった命なんてない。」
そんな言葉に思わず涙腺が緩む、変化球ではありますが、心温まる作品です。
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