「おっさんのリアルなセンチメンタリズム」川下さんは何度もやってくる エイブルさんの映画レビュー(感想・評価)
おっさんのリアルなセンチメンタリズム
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☆良かったところ☆
・知人の自死を地点に3年の定点観測が映し出すものは、蘇る死者も含めて全く成長しない人物らの願いが、ただ「女とセックスしたい」という事のみで、その小ささゆえに切実なのに果たしてその願いが叶ったところで無論大きな変化もないのだから、男の生き恥をグダグダと、存分に抽出して苦笑いを共感できる。
・1度目の復活で半ば叶わなかった願いが、まさかの3度目で叶うところ。そして、前述の通りだがそれが大きな物語性を持つ事件となり得ず、復活という嘘はワンアイデアとして物語作品と生かしめているが、とは言えアイデアに喰われず、言ってしまえば、何ひとつ起こっていないままの物語であり、実に息苦しい。
・自殺したのによみがえってくるところ。
★悪かったところ★
・自殺したのによみがえってきて、やりたいことがセックスで、という事への生き残された者からの怒り等感情を見せる場面が欲しかった。あるいはその欠如が起きている事態のおかしさを少しは明示して欲しかった。
・女は仕方なくセックスするわけだが、もっと面倒臭そうにしてもらっても良かった。都合が良過ぎでは。
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