「テロには屈しない!などと白々しい言葉が飛び交う。」テロ,ライブ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
テロには屈しない!などと白々しい言葉が飛び交う。
TVニュースキャスターだったユン・ヨンファ(ハ・ジョンウ)は、ある不祥事のせいでラジオ番組へと左遷させられていた。朝の情報番組では富裕層優遇の税制について聴取者からの電話を受け付けていたのだが、混線して爆破テロ予告が入ってくる。すぐさま近くにある麻甫大橋が爆破され、これは一大スクープになると確信したユンはニュースキャスター復帰を取引材料として局長に掛け合うのだ。
まずは21億ウォンという高額の金を要求した犯人。テレビ局は勝負に出てすぐさま入金を終わらせる。そして、パク・ノギュと名乗り、2年前に麻甫大橋を修繕工事する際に亡くなってしまった建設作業員に対して、大統領による直接の謝罪を要求し始めたのだ。さらに爆弾はあちこちに仕掛けられている模様で、ユンのイヤフォンにも仕掛けられてると思われた。
緊迫するテレビ中継のやり取り、大橋は2か所で爆破されているため、人質として16名もの人たちが取り残されている。「大統領が謝罪すれば救助してもよい」という犯人の指示。モニタールームでは「テロには屈しない」というテロップもあるが、それでは人質の命が危ない。犯人としても極力死者を出さないよう配慮しているようだった。
大統領の代わりに警察庁長官がスタジオにやってきた。彼は強気の発言ばかりで、犯人を怒らせる言葉ばかり。「殺す!」と言い放ち、長官のイヤフォンがドカン!
犯人逮捕を最優先する警察と局長謝罪を最優先するユンとは対立してしまった。さらに他局からはユンが降板させられた理由は賄賂を受け取ったからだと、ユンを攻撃し始めた。その事実を知ってる者は局長とその上の人間だけだ。窮地に陥ったユンだったが、やがて犯人確保間近という情報が入ってくる。しかし、そのビルが爆破され911並みの大惨事が・・・しかもTV局の隣のビルなので、TV局も崩れるピンチとなった。
真犯人はパクの息子の方であり、しかも放送局のどこかに潜んでいたようだ。最後はユンともみ合いになりビルの31階から落下しそうになった犯人を助けようとするが、犯人は射殺されるという酷さ。そして、ユンは自ら自爆装置に手をかけるのだった・・・
邦画でテロを描いた作品がなんとみすぼらしく映ることだろう。しかも政府(大統領)の言動に対する批判を込めた映画は日本では作れないのか。