百日紅 Miss HOKUSAIのレビュー・感想・評価
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原恵一
神々の宿る国
パーッと弾けてくれそうな絵なのに、淡々としんみりした話だった。
絵柄や色合いなんかは好みだったし、演出も面白かったけど、話と話の繋がりが悪い気がして盛り上がってた気持ちが一回一回途切れちゃった。
キャラクターも魅力的な人がいたけど、葛飾北斎のキャラは何か思ってたのと違った。もっと偏屈なイメージがあったから中途半端な立ち位置と人物像のような気がした。
お栄も何だかパッとしなかった印象が残る。結局どういう人物だったのか分からないしキャラクターも掴めないままである。
周りの人や物事のエピソードより、
葛飾北斎とお栄のエピソードを見たかった。
何が言いたかったのかもよくわからないが、柔らかい絵や線、光と影の使い方は印象に残ったので、次回作で何を作るのかは楽しみだ。
江戸の息遣いを感じる
杉浦日向子の漫画「百日紅」を原恵一監督が映画化。
葛飾北斎の娘で浮世絵師・お栄を主人公に描く江戸の人間模様。
杉浦日向子も原作漫画も知らず、原恵一の新作という事で期待していた(いつもながらの)スーパーミーハー(>_<)
橋の上を行き交う人ゴミの中をお栄が凛と歩き、江戸の風景を写し出し、今風のBGMがかかるオープニング。
スッと江戸の世界に引き込まれる。
原作者・杉浦日向子は江戸風俗研究家でもあったとか。
市井の人々の営み、生活感ある町並み、言葉遣いに至るまでその賜物。
そこに原恵一の緻密な演出。
Production I.Gによるクオリティ。
この組み合わせなのだから見事なのは当然。
これほど江戸の息遣いを感じさせるアニメーションは(個人的には)記憶に無い。
実写のようなキャラ造型・描写の原演出。
花魁の艶かしさ。
頬の痩けたお栄は生活の貧しさを感じさせ、キリッとした眼差し、画を書く時の真摯な表情、病弱の妹への優しさ、密かな恋慕…仕草や心情が素晴らしい。
表現が豊か故、江戸っ子言葉で今風に言うと男前なお栄がとても魅力的。
ただの江戸風俗譚だけじゃなく、竜や妖怪などの伝奇モノの要素も。
江戸の世界観とマッチし、幻想的な効果を上げている。
これらも原作通りなんだとか。
先日見た「桜姫」の突然の伝奇描写には失笑したが、題材もあるだろうが、演出の巧みさやセンスの違いだと感じた。
また、「クレヨンしんちゃん」時代から原作品に共通する家族のドラマ。
口では貶すが、浮世絵の師としては敬う父との関係。
病弱な妹のエピソードは“優しく温かく”感動的。
最初どうしても気になってしまうのが豪華俳優による声。
杏は美人で性格も良さそうで好きだが、演技は格別巧いというほどでもないので、声の演技も…。
松重豊も濱田岳も高良健吾もどうしても顔が浮かんでしまう。
しかし、次第に違和感は無くなってきて、この顔触れで実写で見たいような気も…?
時間は90分。
なのでカットされたエピソードは膨大だろうし、展開は淡々。最後もあっさり。
物足りない…と言うより、もっと長く見ていたいと思わせる秀作原アニメーション!
教養が試されるような
しっとりとして良い映画
江戸感は満喫でき気持ちいい
葛飾応為
時代劇とアニメはあうんじゃないかな。
試写会で見たんですが、今更ながらアップ。
当時女性は早く嫁に行くのが普通だったので、独り身で浮世絵や春画を描いていたなんて、たとえ北斎の娘としたって大変だったんじゃないかと思う。
監督がインタビューで語られていたけど、時代劇はどうしても同じ限られたセットの中でとり回してるからどうしても似たような絵柄になると、その辺アニメだと自由に描けると。
確かにそうで、江戸の町、日本橋界隈の俯瞰や木造の大きな永代橋や澄んだ隅田川の流れなんて、実写では描ききれないし、そういう部分の可能性はすごいなって思った。
江戸っ子たちが長屋で雑魚寝したり、吉原の町並みやなんかもずっとセットより魅力的だったし、むしろ生き生きとしてる。
杉浦さんが紡いだ物語自体も面白かったけれど、アニメ化で新たな次元の面白さが加わってるとおもいました。
へんちきなじじぃ
期待値高すぎてしまったかもσ(^_^;)
これぞ江戸っ子の生き様よ
ケリをつける
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