百日紅 Miss HOKUSAIのレビュー・感想・評価
全58件中、21~40件目を表示
原恵一
杏の声が素晴らしい。ずーっと見ていたくなる労作。やはり日本のアニメはレベルが違う。犬とか、植物とか、ユートピア江戸の背景とかなんか凄い。できっちり90分におさめてくる。原田眞人みたいにだらだら150分とかにしない。まぁ単純な労力の問題もあるのだろうが。ただ音楽がちょっと微妙。江戸とロックが合わないとかじゃなくて、単に画が素晴らしいのだから、音が余計。ファンクだったら良さそうだけれど。応為を描いた原作漫画もきっと素晴らしいんだろう。
神々の宿る国
パーッと弾けてくれそうな絵なのに、淡々としんみりした話だった。
絵柄や色合いなんかは好みだったし、演出も面白かったけど、話と話の繋がりが悪い気がして盛り上がってた気持ちが一回一回途切れちゃった。
キャラクターも魅力的な人がいたけど、葛飾北斎のキャラは何か思ってたのと違った。もっと偏屈なイメージがあったから中途半端な立ち位置と人物像のような気がした。
お栄も何だかパッとしなかった印象が残る。結局どういう人物だったのか分からないしキャラクターも掴めないままである。
周りの人や物事のエピソードより、
葛飾北斎とお栄のエピソードを見たかった。
何が言いたかったのかもよくわからないが、柔らかい絵や線、光と影の使い方は印象に残ったので、次回作で何を作るのかは楽しみだ。
江戸の息遣いを感じる
杉浦日向子の漫画「百日紅」を原恵一監督が映画化。
葛飾北斎の娘で浮世絵師・お栄を主人公に描く江戸の人間模様。
杉浦日向子も原作漫画も知らず、原恵一の新作という事で期待していた(いつもながらの)スーパーミーハー(>_<)
橋の上を行き交う人ゴミの中をお栄が凛と歩き、江戸の風景を写し出し、今風のBGMがかかるオープニング。
スッと江戸の世界に引き込まれる。
原作者・杉浦日向子は江戸風俗研究家でもあったとか。
市井の人々の営み、生活感ある町並み、言葉遣いに至るまでその賜物。
そこに原恵一の緻密な演出。
Production I.Gによるクオリティ。
この組み合わせなのだから見事なのは当然。
これほど江戸の息遣いを感じさせるアニメーションは(個人的には)記憶に無い。
実写のようなキャラ造型・描写の原演出。
花魁の艶かしさ。
頬の痩けたお栄は生活の貧しさを感じさせ、キリッとした眼差し、画を書く時の真摯な表情、病弱の妹への優しさ、密かな恋慕…仕草や心情が素晴らしい。
表現が豊か故、江戸っ子言葉で今風に言うと男前なお栄がとても魅力的。
ただの江戸風俗譚だけじゃなく、竜や妖怪などの伝奇モノの要素も。
江戸の世界観とマッチし、幻想的な効果を上げている。
これらも原作通りなんだとか。
先日見た「桜姫」の突然の伝奇描写には失笑したが、題材もあるだろうが、演出の巧みさやセンスの違いだと感じた。
また、「クレヨンしんちゃん」時代から原作品に共通する家族のドラマ。
口では貶すが、浮世絵の師としては敬う父との関係。
病弱な妹のエピソードは“優しく温かく”感動的。
最初どうしても気になってしまうのが豪華俳優による声。
杏は美人で性格も良さそうで好きだが、演技は格別巧いというほどでもないので、声の演技も…。
松重豊も濱田岳も高良健吾もどうしても顔が浮かんでしまう。
しかし、次第に違和感は無くなってきて、この顔触れで実写で見たいような気も…?
時間は90分。
なのでカットされたエピソードは膨大だろうし、展開は淡々。最後もあっさり。
物足りない…と言うより、もっと長く見ていたいと思わせる秀作原アニメーション!
教養が試されるような
決して説明的でないので、観客の教養が試されるような作品、という印象。
とてもスマートで、2Dと3Dの使い分けも小洒落ている。
画面の切り取り方が面白い。もっともっと先を行って欲しい!次作が楽しみ。
豪華俳優陣の出演も、私は素敵にマッチしていると思います。
はじまりのみちに続いて濱田岳の使い方の正しさ!
ちょっと暗転が多くて場面が断続的なのが気になった。独特のリズム感かもしれないけど、もっとスムーズな画面展開も今後希望。
しっとりとして良い映画
原恵一監督の期待の本作を楽しみにしていました。
予想を裏切らないしっとりと進行するストーリー。原作の雰囲気も上手く映画向けにアレンジしてあって安心感の中で鑑賞できました。
ちょっと感じたのがいわゆる外国人が見たがるジャポニズムをサービスしすぎ?考えすぎでしょうけどね。
ともあれ、アヌシーでの受賞おめでとうございます!
江戸感は満喫でき気持ちいい
たまたまきのう観た『駆け込み女〜』もそうだったけど、原作が短編連作のエピソードものは長編映画化が難しい。とうしてもフェードアウトで章繋ぎになって、なんとか長編としてグルーブ感がでないものかと思うが、原作が素晴らしいと余計それは難しい。
描かれた世界も力量も素晴らしいのだけど、映画としての圧倒感が欲しくなって、それはつまり原作から離れることになるのだけど、その辺のプロセスが難しいのだろうな
葛飾応為
お栄の主役の作品なら画号の応為の名を出さないのかと思って見ましたが、なるほど絵描きおしての応為ではなく、一人の人間としてのお栄が描かれていて、とても良かったです。
原作ではお栄より北斎や善次郎の色恋沙汰が多いので、お栄主役の映画はこれはこれで良いなと思いました。
葛飾北斎の粋っぷりや、お栄のカッコ良さ、善次郎や国直も頼もしく、江戸の世俗がよく感じられました。
お猶と北斎が触れ合う瞬間はとても印象的でした。終わり方に少し疑問もありましたが、アニメとはいえ杉浦日向子先生の雰囲気も出てて全体的に良かったです
葛飾北斎の娘、お栄=葛飾応為の日常話し。江戸時代風情が垣間見れて、...
葛飾北斎の娘、お栄=葛飾応為の日常話し。江戸時代風情が垣間見れて、粋な空気を感じられた。時代劇をアニメで表現って手法として有りだね。
時代劇とアニメはあうんじゃないかな。
試写会で見たんですが、今更ながらアップ。
当時女性は早く嫁に行くのが普通だったので、独り身で浮世絵や春画を描いていたなんて、たとえ北斎の娘としたって大変だったんじゃないかと思う。
監督がインタビューで語られていたけど、時代劇はどうしても同じ限られたセットの中でとり回してるからどうしても似たような絵柄になると、その辺アニメだと自由に描けると。
確かにそうで、江戸の町、日本橋界隈の俯瞰や木造の大きな永代橋や澄んだ隅田川の流れなんて、実写では描ききれないし、そういう部分の可能性はすごいなって思った。
江戸っ子たちが長屋で雑魚寝したり、吉原の町並みやなんかもずっとセットより魅力的だったし、むしろ生き生きとしてる。
杉浦さんが紡いだ物語自体も面白かったけれど、アニメ化で新たな次元の面白さが加わってるとおもいました。
へんちきなじじぃ
監督は杉浦日向子作品の空気感を表現したかったそうだ。杉浦日向子は知っている。作品は知らない。だから、作品の空気感が彼女のものかどうかは分からない。でも、独特な空気感は表現されている。それは、言葉遣いであり、風景であり、人間関係であり、服装であり、物語であり、セリフであり、諸々。心地よい空気に浸らせてもらった。
期待値高すぎてしまったかもσ(^_^;)
北斎の娘の生き様、日常を切り取って見せた感じ。
アニメーションの映像が、上手く江戸を表していた感じです。江戸の街並み、色合いもよく、きれいに仕上がってました。
ただ、ストーリーに山場がなく、淡々と日常が過ぎていく感じ。 彼女の浮世絵師的な盛り上がりがあったらなぁと、見終わって率直に感じました。(¬_¬)
これぞ江戸っ子の生き様よ
まず、この映画は短編を連ねたような構造になっている。
短編ごとに登場人物の一挙一動まで細かく描いており江戸に生きる者の息遣いまで感じることが出来る。
ただ、短編ごとに流れがバラバラになることはなく、お栄の変わらぬ生き様で綺麗に繋がっている。冒頭のお栄が登場するシーンに流れたロックから一貫してまさに彼女の人生はロックそのものであり、その生き方はそれこそ粋だと感じた。
お栄を通じて江戸という街とそこに住まう人々の不思議な包容力と魅力を感じることのできる日本ならではの美しい映画だった。
クオリティ面に関してはI.Gの作画の凄さはもちろんCGの可能性についても実感できる。
ケリをつける
散逸した感じは原作のせいかな、と思いました。これはこれでまずまず。杏ちゃんはまじめすぎ。自分以外の性格は演技している感じが消せない。思いっきりデフォルメされた役、コメディでないとだめ。それでも歴女が江戸時代を演じるのを堪能したい杏ちゃんファンなら織り込み済み。江戸の風俗を楽しめました。
全58件中、21~40件目を表示