ある優しき殺人者の記録のレビュー・感想・評価
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【白石晃士Meets韓国映画のノンストップPOV・AVバイオレンスサスペンス。ラストの展開は、ヤラレタナア。故、淀川長治さんの名言”どんな映画でも、良いところは一つはある。”を思い出した作品である。】
■韓国の障害者施設から脱走した連続18人殺人の指名手配犯、パク・サンジュン。
彼から「独占取材をしてくれ」と電話を受け、呼び出された女性ジャーナリスト、キム・ソヨン(キム・コッピ)は日本人カメラマン田代(白石晃士監督)を連れ、廃屋となったマンションを訪れる。そこにいた。パク・サンジュンは”俺は25人殺した。あと2人殺すと幼馴染で、車に轢き殺されたユンジンと、自分が殺した人も蘇る。”と訳の分からない事を、口走る。
すると、そこに日本の阿呆なカップルが現れ、男の方はパク・サンジュンに立ち向かうが、アッサリ拘束され、女はパク・サンジュンに犯されてしまう・・。
◆感想
・白石晃士監督と言えば、POV(主観映像)ホラーで有名であり、2024年に劇場公開された「サユリ」は、怖いんだか、可笑しいんだか分からない、怪作であった。(褒めてます。)
場内の、女子中高生たちは、キャーキャー言いながら、怖がったり、喜んだり、モー大変だったもんな。
・で、今作。
序盤は、若い頃の白石晃士監督作品って感じで進むのだが、マアPOVだから仕方が無いのだが、手ブレは凄いし、パク・サンジュンは何を言ってんだか、わかんないし、ヤッパリ精神がイカレテルンジャないの?と思ったら、あのラストだもんな。
ヤラレタナア。
多分、超低予算で作ったと思うのだけれど、ワンアイディアの勝利カナ。
<故、淀川長治さんの名言”どんな映画でも、良いところは一つはある。”を具現化した如き作品。
あのラストは、明らかに狙っていると思うのだが、気持ち良くヤラレタし、タイトルの意味も成程な、と思った作品である。>
惨劇の後に奇跡は訪れる・・・
連続殺人犯への単独インタビュー・・・。 最近はやりのPOV?モキュメンタリー?
何しろ、ひとつのカメラでほとんどワンカットで撮っちゃってるんだからすごい!
サスペンスっぽい好きなジャンルではあるし、このワンカメラ、ワンシーンってのも非常に興味は惹かれたんですが、まあ、もともとこの作品に興味があったのは葵つかさの映画だったからです。
大阪にいた頃、「おとなの子守唄」なる番組を見てました。その時に出てたAV女優だったんですが、可愛い娘だな~って思ってて興味があったんです。 でも、AVってのは、あんまり見ないほうだったので、この番組でしか彼女を見ることはなかったんですが・・・。
そんな彼女が普通の映画に出演となればやっぱ見るっきゃないでしょう!
やっぱり、AV女優さんを使うだけあって、そんなシーンも登場し、初めて彼女の胸も見たんですが、うん、綺麗でした。可愛らしい顔にあの綺麗な体って感じで嬉しかったんですが、ただ、この役がね~・・・。 アバズレっぽくて可愛くなかった。おまけにはっきり顔も見えないし・・・。
それがちょっと残念かな。 でも、作品的には非常に楽しませてもらいました。自分的には好きな一本です!
【ちょっとネタバレ】
ただ、ラストはどうなんだろう?
サスペンスを期待して見てた人には、何じゃこりゃ~~~~~!ってな感じの大どんでん返しだったんじゃないだろうか。 SF、ファンタジー、そんな感じのラストでした。自分は嫌いじゃないけどね。
このテの映画じゃ珍しい、後味の悪くない映画、ハッピーエンドな幕引きでした。でも嫌いな人は許せないだろうな、こんな茶番。
最後に出てた女の子、めっちゃ可愛かった。なんて娘だろう?
18人を殺害した指名手配犯から、幼馴染の記者に取材依頼がきた。 殺...
カメラを止めるな
あるモキュメンタリーの不可解な記録
ホラーの鬼才、白石晃士監督による日韓合作のスリラー。
白石監督作と言えばモキュメンタリー形式の作品で有名だが、本作もその手法。
障害者施設を脱走し、18人を殺した容疑で指名手配の殺人犯。
彼の幼馴染みのジャーナリストが独占取材を持ちかけられ、廃屋の一室に呼び出される…。
モキュメンタリーとしてはなかなか面白そうな設定。
何故彼は凶悪な犯行に至ったのか…?
彼の人間性と事件の真相に迫る…。
…という話ではなかった!
訳の分からん事を言い出す。
実際殺した人数は25人。
これから首に痣のある日本人二人を殺すという。
27歳の時に27人殺せば、幼い頃に事故で死んだ幼馴染みと彼が殺した人々を生き返らせる事が出来る…という神様の声を聞いたという。
その予言を信じ、これから起こる奇跡をカメラに撮れという…。
大量殺人鬼にして、相当の精神異常者。
しかし予言通り、二人の日本人がこの部屋に現れ…。
殺人犯もアブナイ奴だが、現れた日本人二人もアブナイカップル。変態的な性癖があり、男の方は凶暴な性格。
罵り、挑発し、威嚇し、隙を見て取っ組み合い、ナイフで切り合い、形成が幾度も逆転し…。
ワン・シチュエーションを飽きさせない為に展開を凝らすが、起きてるのは罵倒とグロ。
話に面白味は無く、狂気の行方と顛末をただ眺めているだけ。
“この結末は誰にも予測出来ない”とのキャッチコピーだが、そりゃあ予測出来る筈ない。
だって、突然まさかの現実離れと言うかファンタジーと言うかなんだもの。
このオチで、タイトルの“優しき殺人者の記録”の意味が分かるとは言え、う~ん…。
モキュメンタリー・サスペンスを作りたかったのか、それを入り口にびっくり仰天の怪作を作りたかったのか、それともラストの唐突の感動を見せたかったのか…。
いずれにせよ意図がよく分からなかった。
最後まで観たら面白い
気合のPOVといった趣きの逸品。
粗製濫造が目立つジャンルにあって、これはメチャクチャ楽めた。まったく悪い意味ではなく、白石晃士ってこういうベタな着地もやる監督なんだ、とも思った。
大枠はほぼ同監督の『オカルト』と同じなんだけど、商業映画としてより洗練されている。全編ワンカットに見える映像が途中でダレることもなく、狙い通りであろうリアルタイムな緊張感を最後まで保ってるのも凄い。シーンの継ぎ目になってそうな箇所はある程度想像できるけれど、総じて自然で、普通に観てる分にはすべてがリアルタイムに見える。
途中から登場する日本人カップルは、この作品の特異点にしてトリックスター。同監督の『グロテスク』の要素が少量混入していて、お花畑すぎる話にしっかり毒を添えている。好き嫌いが分かれる要素だろうけど、個人的にはこれをぶっこんでくるバランス感覚が好き。
オチがね…。
低予算映画の見本
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