「彼に寄り添った作品」イヴ・サンローラン おーつさんの映画レビュー(感想・評価)
彼に寄り添った作品
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伝記としてその人を世に伝える時功績だけでは伝わるものが浅くなる。
こうしてイヴサンローランの人間関係、周りの環境取り巻きを映像として伝えることで見る私たちは彼に共感し同情しまた哀れみイヴサンローランのことを多少は深く知れたような気になる。
主役のピエールニキの人選は勿論イヴサンローランのビジネスパートナーであり恋人であるピエールヴェルジェの俳優にギヨームガリエンヌを採用したのはとてもいい選択だったと思う。
彼のひたむきさ誠実さ、真面目でイヴのことを誰よりも想い支える存在。演じ方もそうだが彼の人格が画面を通して真っ直ぐに伝わってきた。
互いに裏切られても2人は離れようとはしなかった。したのかもしれないが少なくともこの映画の中では描かれていない。どんなに衝突しようとも生涯の男として互いを認め愛し合いお互いを手離そうとはしない。
魂の伴侶とはこういうことだろうか。
舞台の袖口でショーを見守るピエール、
それが彼の立ち位置であり、彼のイヴに対する忠誠でありそれを彼は最後まで貫き通した。
天才故の苦悩、そして孤独があるが
支えてくれる存在とはかくも大きいものなのかと
この映画を見て思った。
彼はファッションで自分を表現し、苦しみながら成功の道を進んだ。
そんな彼を羨ましく思う。
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